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「史上最も馬鹿げた出来事のひとつ」“打点王”カブス・鈴木誠也の“オールスター落選”米メディアはどう報じた?「不自然」「歴史的にも異常」
posted2025/07/11 17:25

日本時間の7月10日現在、ナ・リーグの打点王に輝いているシカゴ・カブスの鈴木誠也。一方でそれだけの実績を残しながら、オールスターは落選の憂き目に
text by

一野洋Hiroshi Ichino
photograph by
JIJI PRESS
7月15日(日本時間16日)に、今年もMLBのオールスターゲームが開催される。ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平をはじめ、一流選手たちの競演に胸が高鳴るばかりだが、その夢舞台に今季絶好調の30歳の名前はなかった。なぜ現在、打点王を走る男が“落選”だったのか。また、その事実を現地メディアはどう報じたのだろうか。《NumberWebレポート全2回の1回目/つづきを読む》
7月6日(日本時間7日)、MLBオールスターゲームのロースターが発表された。
ファン投票で大谷翔平(ロサンゼルス・ドジャース)、アーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)、カル・ローリー(シアトル・マリナーズ)ら今を時めくスターの名前が並び、日本人からも山本由伸(ドジャース、選出されるも登板は回避)、菊池雄星(ロサンゼルス・エンゼルス)が選ばれるなど、今年も球宴の季節がやってきた。
しかし、そこに鈴木誠也(シカゴ・カブス)の名前はない。この事実に、一瞬目を疑った人も多いはずだ。
リーグ打点王がなぜ「不選出」に?
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日本のファンにとっても、この選出漏れは驚きだっただろう。なにしろ鈴木は現在(日本時間11日時点)、ナ・リーグの打点ランキングでトップに立っている。本塁打はリーグ4位タイの25本、OPSは.874とキャリアハイを更新中。打撃面だけを見れば、オールスターにふさわしい選手であることは疑いようがない。
今年の鈴木は間違いなくこれまでのキャリアで最高のシーズンを送っている。
今季、鈴木は右翼手から指名打者へ完全移行した。実はDHへのポジション変更はリズムを崩す打者も多い。守備機会がなくなることで、打席間の集中力が切れやすくなるからだ。だが、鈴木はこの変化をプロフェッショナルに、そして冷静に受け入れた。
昨年から空振り率は減少し、選球眼も改善。ボールの見極めは良好で、強引さとバットコントロールのバランスも取れており、故障や不調で打線が変動する中でも安定して結果を残している。