テレビに映らない大谷翔平:番記者日記BACK NUMBER
“テレビに映らない”大谷翔平ドジャース取材…投手コーチ補佐の重要証言と「正直こんな明るい人とは」大谷28号球を捕ったイエーツはご機嫌
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柳原直之(スポーツニッポン)Naoyuki Yanagihara
photograph byIcon Sportswire/Getty Images
posted2025/07/02 17:04
投球練習翌日のロッキーズ戦で大谷翔平が放った28号ソロ。キャッチしたのはブルペンにいたリリーフ右腕イェーツだった
ノーワインドアップとセットポジションを使い分けるのはもちろん、投手板に足を置く位置まで変えてしまうのは――投球フォームの再現性を高めるという意味では矛盾する。だが大谷はもうそのレベルで考えていないのかもしれない。大谷は変化を恐れない。先入観をなくす、常識を疑うといった思考がここまでの復活の過程や、元の姿以上の進化を生み出しているのだろう。
縦のスライダーに関しては別の記者が質問してくれたが、それに対するマクギネス氏の回答も興味深かった。
「ナショナルズ戦で彼は左打者に対して“ジャイロスライダー”を投げていて、良い動きをしていた。彼のことをよく尋ね、よく知ってみると興味深いのは、彼はさまざまな球種をいろいろな方向に曲げる能力があるということだ。彼は『バーティカル・スライダー』(縦に落ちるスライダー)と呼ぶ球に取り組んでいる。『アンタイ・バーティカル・スライダー』(反対側に落ちるスライダー=右打者方向へ曲がりながら落ちる軌道)もある」
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2020年に傘下1Aから異例のメジャー昇格を果たし、動作解析に定評のある同氏は、大谷の投球はもちろん、その取り組みにも舌を巻いていた。
前日HRキャッチした女性が再び観戦していた
試合は6回に豪雨の影響によるマンシーの幸運な先制打で決勝点を奪い、ナ・リーグ一番乗りで50勝に到達した。先発した山本は中断の影響によって5回限りで降板したものの、1安打無失点で7勝目を挙げた。大谷は2023年に日米通算200号、前日に日米通算300号を達成するなど会場のクアーズ・フィールドには個人的にも縁深い。今季は26日を含めて5試合を残しており、世界一連覇へ予想もつかない未来が待っているかもしれない。
ちなみに、大谷の日米通算300号をキャッチしたエミリー・サバジュさんはこの日も同じ左翼席最前列で観戦。
「テレビにも映って記事にもなって友人や親戚からたくさんのメッセージが来て驚きました」
と、嬉しそうに話していた。
恒例の「壁当て」…使用するボールに変化が
《6月26日 vsロッキーズ(クアーズ・フィールド)3―1◯》
試合前の会見でデーブ・ロバーツ監督が、28日の敵地ロイヤルズ戦で大谷が先発することを発表した。

