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落合博満33歳は“1対4”でロッテ→中日、秋山幸二と糸井嘉男は31歳で電撃移籍「大型トレード」前後の成績比較…覚醒した“意外な選手”も
posted2025/06/30 17:22

1993年、トレードで西武からダイエーに移籍し、入団発表に出席した(左から)内山智之、秋山幸二、渡辺智男
text by

広尾晃Kou Hiroo
photograph by
JIJI PRESS
三冠王・落合獲得のため中日は牛島ら4人を…
名球会入りするクラスの大選手を巻き込んだ大型トレードはたびたび起きるが、球史に残る大型トレードの代表格と言えるのは1986年、ロッテと中日間で成立したものだろう。
【三冠王落合博満を巡る大型トレード 1986年】
1982、85、86年に三冠王、圧倒的なパ・リーグ最強打者になったロッテの落合博満だが、信頼する稲尾和久監督の解任に猛反発。86年オフに、牛島和彦、上川誠二、平沼定晴、桑田茂の4選手との交換トレードで、中日移籍が決まった。
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〈ロッテ→中日〉
落合博満 内野手 33歳 8年
849試2876打954安
242本659点40盗 率.332
本塁打王3回、打点王3回、首位打者4回、三冠王3回、MVP2回、ベストナイン6回
〈中日→ロッテ〉
牛島和彦 投手 25歳 7年
273登33勝39敗77S
543.2回435振 率3.11
最多セーブ1回
上川誠二 内野手 26歳 5年
600試1828打497安
22本146点35盗 率.272
落合はもちろん活躍、牛島は2年連続最多セーブ
牛島は浪商高時代甲子園で活躍。中日入団後は抑えのエースとして活躍していた。上川は正二塁手として3割1回、平沼と左腕桑田は中継ぎ投手。移籍1年目の87年から3割を打った落合は、30代半ばになってもロッテ時代と変わらない豪打を見せた。
〈移籍球団での成績〉
落合博満 7年
863試2970打913安
210本625点18盗 率.307
本塁打王2回、打点王2回、ベストナイン4回
落合は昭和から平成にかけてセの最強打者として活躍すると、40歳の94年にFA宣言をして巨人に移籍。日本ハムを経て44歳で引退した。
牛島和彦 7年
122登20勝25敗49S
362回311振 率3.49
最多セーブ2回
ロッテ移籍から2年連続最多セーブと活躍。先発に転向して12勝、32歳で引退したとはいえ期待に応えたといえよう。上川はロッテでも内野手としてプレーしたが一度も規定打席に乗らず。平沼はロッテで9年プレーして96年中日に復帰、98年西武に移籍して引退。桑田はロッテで3年6試合に投げただけで引退した。
落合はその圧倒的な活躍で中日でもレジェンド的な存在になり、のち監督として中日の黄金時代を現出することになる。