6月シリーズの新戦力「コアメンバーとは差が大きい」なかで「次も呼ばれる選手」は？ 超深掘り分析で見えた“ボランチ新コンビ”と“好連係FW” 

インドネシア戦で佐野が実行した修正ポイント

「（相手の）ボランチを引き寄せないといけなかったし、そうすれば1.5列目が空く。そこをもうちょっと狙えればよかった」

鎌田（奥）は佐野の動きを高く評価した　©Kiichi Matsumoto

　シャドーの空けたスペースの活用は指揮官も指摘したオーストラリア戦の課題の一つ。日本はインドネシア戦で早速、修正を試みた。右シャドーの位置から右後方に降りてビルドアップに加わった久保建英の空けたスペースに海舟は何度も入り込み、攻撃を活性化した。パスを引き出し、前線と絡み、時には1トップを追い越してチャンスを生んだ。

「チームとしてもそうですし、個々人がもう少し前にいてもいいよねという話をしていた。今日は海舟が良いタイミングで入ってくれていた。よく動いてくれた」

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　佐野と久保のパス交換の流れからフィニッシュを担って、チームの3点目を生んだ鎌田の言葉だ。

ボランチコンビに佐野がもたらした新たな可能性

佐野の精力的な動きでボランチコンビの組み合わせに新たな可能性が見えたか　©Kiichi Matsumoto

　攻撃面の貢献に加え、守備でも佐野は見せ場を作った。素早い切り替えでピンチの芽を摘んだのは一度や二度ではない。今シリーズ不在だったボランチのコアメンバー、守田英正や田中碧も大いに刺激を受けたことだろう。佐野本人は今後の活動に対する手応えを問われると「それは自分が決めることではない」と謙虚な反応だったが、「前節の課題をしっかりチームで共有できて、課題を考えてしっかり試合に入れた」とプレーの向上を認めていた。

　これまでボランチコンビはボール奪取能力とバランスを取ることに優れる遠藤と、構成力を備える守田や田中という組み合わせが基本だった。そこに今回、遠藤と圧倒的な走力であらゆる局面に関わる海舟という新たな組み合わせが生まれた。海舟はメキシコ代表、アメリカ代表と対戦する9月の遠征も引き続き、招集される可能性が高い。その強度の高さも、強豪国と戦う際に大きな武器となるはずだ。

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