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サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
6月シリーズの新戦力「コアメンバーとは差が大きい」なかで「次も呼ばれる選手」は? 超深掘り分析で見えた“ボランチ新コンビ”と“好連係FW”
text by

佐藤景Kei Sato
photograph byKiichi Matsumoto
posted2025/06/20 17:00
6月シリーズの2試合から「新戦力」を詳細に分析した。佐野海舟は大きくアピールすることに成功したひとり
継続して招集できるメンバーとは?
例えばそれは、2試合ともにボランチとして先発した佐野海舟であり、インドネシア戦で1トップとして先発し、得点やアシストという目に見える結果を残すとともにポストワークで貢献した町野修斗だろう。インドネシア戦で3バックの左センターバックとして積極的に攻撃に関わる姿勢を示し、代表デビューを飾った鈴木淳之介も、その一人と思われる。
64分までプレーしたオーストラリア戦で海舟は、本来の力を示すことができなかった。その理由としてボランチコンビを組んだ藤田譲瑠チマとの役割が未整理だったことが挙げられる。しかし続くインドネシア戦ではコンビを組んだ遠藤航がアンカー気味に構え、海舟は縦横無尽にピッチを駆けた。ボールに積極的に絡んでいくという役割を担ったのだ。その結果、ブンデスリーガで総走行距離1位になった特徴を存分に発揮することになった。
「まずは1試合目までに与えられた時間と、この2試合目までに過ごしてきた時間の違いがある。選手たちが本当に一生懸命にチーム戦術を理解してピッチに立ってくれたのはオーストラリア戦も変わらなかったが、トレーニングする回数と時間がインドネシア戦に向けての方がより長く、試合を通して出た成果と課題を踏まえて次の試合に挑めた。そのことで海舟自身のプレーをよりクリアにして、思い切って表現することにつながった。1試合目に組んだ譲瑠もいい選手ですが、やはり遠藤航と組んだ時のお互いの関係性がよりクリアになっていて、思いきって表現できたのだと思います」
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森保監督はこんな言葉で海舟の変化を称えた。
鎌田が作ったスペースに入り込むパスの受け手が不足していた
オーストラリア戦では左シャドーの鎌田大地がたびたび左後方に降りて擬似的な4バックを形成し、ビルドアップに加わった。鎌田が3バックの左に位置取ることで、対面する相手MF4人の間隔を広げ、最終ラインから縦パスを送るルートを生み出すのが、その狙いだ。だが、鎌田が空けたシャドーのスペースに人がおらず、前線の受け手が不足したために縦パスを差し込む機会は限られた。
1トップの大橋祐紀が下がるか、あるいはボランチの海舟や藤田が1列上がるか。結局、どちらもうまくいかず、右シャドーの鈴木唯人が自らの判断で左に移動したときに町田浩樹から縦パスが入ってシュートにつながった。しかし、それも決定機に至ったのは1度きりだった。
試合後、佐野は反省を口にしている。

