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[白熱ピットレポート]グランプリの現場から(1)ハース代表・小松礼雄の仕事術

posted2025/06/22 09:00

 
[白熱ピットレポート]グランプリの現場から(1)ハース代表・小松礼雄の仕事術<Number Web> photograph by Mamoru Atsuta

text by

雨宮圭吾

雨宮圭吾Keigo Amemiya

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Mamoru Atsuta

チーム代表はいかに組織を構築、運営しているのか。親交の深い熱田護カメラマンが、その人柄を語った。

 ドライバー以上に狭き門。各チームに1人ずつ、現在は合計10人しかいないのが、レース現場だけでなく、人事や財政まであらゆる部門を統括する「チーム代表」です。

 僕らカメラマンにとって主役の被写体ではありませんが、古くはウィリアムズ創設者のフランク・ウィリアムズやマクラーレンのロン・デニスなど、彼らもまたF1の風景に欠かせない存在。その立場で戦っている日本人が、ハースの小松礼雄さんです。

 チーム代表には元レーシングドライバーや実業家など、いろいろなタイプの人がいますが、彼はエンジニア出身で技術面、戦略面にも精通しています。アメリカ人オーナーが所有するハースはグリッド上でもっとも小規模なチーム。小松さんは昨年、代表に昇格すると、前年最下位だったチームを7位に押し上げました。今季もエステバン・オコン、オリバー・ベアマンという新しいドライバーを揃え、中団勢で存在感を見せています。

 僕が彼と初めて会ったのは10年以上前。彼がルノーでビタリー・ペトロフの担当をしていた頃からの付き合いですが、当時から何も変わらないですね。ずっとレースが大好きで、その純粋さを持ち続けているんです。

 チーム全体のレースプランを練るチーフレースエンジニアだった3年前の日本GPでは、自ら進言して当初の戦略を崩したけど、それが大失敗に終わった。取れたはずのポイントを逃してレース後は嗚咽が止まらず、チームのみんなに慰められていました。

こちらは雑誌『Number』の掲載記事です。
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