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獅子の遺伝子BACK NUMBER
「髪を切れ、とか目にしましたけど…」西武・高橋光成が昨季の大不振から“切り替え”られた秘訣は「菊池雄星さんと西口文也監督の教え」
text by

市川忍Shinobu Ichikawa
photograph byShigeki Yamamoto
posted2025/06/14 11:04
不調だった昨季は髪型や自ら立ち上げたブランドなどにまで懐疑的な意見があったというが、“切り替え”を大切に徐々に復調してきた高橋
打たれたらその瞬間に切り替える
そんな高橋に、現時点で最も大切にしていることを聞くとこんな答えが返ってきた。
「やはり気持ちを切り替えることですね。たとえば自分で納得できないピッチングをした試合があっても、あまりそれを引きずらないこと。過去を引きずっても時間は戻らないですから。試合中もそうですけど、打たれた瞬間に、投げたボールは忘れるようにしています。それくらいの勢いじゃないといけないと思う」
切り替えが重要だという考え方は現在、指揮を執る西口文也監督の思考と通ずるところがある。西口監督が現役時代につけていた背番号13を引き継ぐ形となった高橋だが、西口監督の影響も受けているのだろうか。
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「西口さんの現役時代は最後の1シーズン、一緒にプレーさせていただきました。当時からいろいろとかわいがっていただいて、ピッチングコーチやファーム監督の時代もいろいろとお話をしましたが、野球に対しての考え方、捉え方が『素晴らしいなぁ』という印象です。
例えばヒットを打たれたとします。そうしたら西口さんは『じゃあ、これでゲッツーを取った方が試合としては面白いよね』と言うんです。発想が違うんですよ。『打たれちゃった』ではなくて『打たせてあげてゲッツーを取った方が盛り上がるよね』と」
西口監督からの影響
ヒットを打たれたという“結果”を、あくまでポジティブに捉える。それによって心身の萎縮を防ぎ、傷口を広げない。そんな西口監督の考え方に驚いたという。
「頭の切り替えの速さと、そういう風に考える癖づけができている。西口さんにとってはそう捉えるのが日常で、だから落ち込まないし、すぐ次に向けて進めるのだろうなと僕は思いますね。西口さんが現役時代、あれだけ勝ったのは(通算182勝)、そういう考え方ができるからなのだろうなぁと思いました」


