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獅子の遺伝子BACK NUMBER
「髪を切れ、とか目にしましたけど…」西武・高橋光成が昨季の大不振から“切り替え”られた秘訣は「菊池雄星さんと西口文也監督の教え」
text by

市川忍Shinobu Ichikawa
photograph byShigeki Yamamoto
posted2025/06/14 11:04
不調だった昨季は髪型や自ら立ち上げたブランドなどにまで懐疑的な意見があったというが、“切り替え”を大切に徐々に復調してきた高橋
菊池雄星から学んだこと
2015年に高橋がドラフト1位でライオンズに入団した際、菊池はプロ入り6年目。9勝を挙げるなど、投手陣の核として活躍していた。
最初は近寄りがたい存在だった。しかし徐々に打ち解け、菊池のひたむきな姿勢と温かい心根に感銘を受けた高橋は2018年のオフ、菊池が中心となって石垣島で行っていた自主トレーニングに初めて参加することになる。
「影響を受けたという一言では済まないくらい、本当にいろいろなことを教えていただきました。雄星さんの姿を見て、学ばせてもらってきたと思っています。野球の技術や練習方法だけではなくて、考え方、練習への取り組み方など、自分の全てが変わりました。性格はすごく優しいんですけど、僕ら後輩が良くないことをしたら、もちろん叱ってくれる。僕の全てを変えてくれた人で、尊敬してもしきれないですね。
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雄星さん、今でも年々、球速が上がっていて、それって同じピッチャーから見るとすごく難しいことなんです。30歳を超えてからマックスを更新していくのは、突き詰めて野球に取り組んでいるからこそだと思います」
ウエートトレはマウンドと一緒
高橋の心に刻まれた菊池の言葉がある。一緒にウエートトレーニングに励んでいた際に言われた言葉だ。
「僕がトレーニングに集中していなかったときに、雄星さんに叱られたんですよ。『ウエートトレーニングとマウンドは環境が近いんだよ』と。マウンドではもちろんバッターとも戦うけれど、ピッチャーはどうしても孤独になる。だから自分との闘いでもあるんだ、と。ウエートも一緒で、きついときにどれだけ自分を追い込めるかが大事。その姿勢はマウンドでも表に出るよって」
野球に真摯に取り組む菊池の姿勢は、高橋だけではなく與座海人、渡邉勇太朗、平良海馬などの後輩にも大きな影響を及ぼした。菊池は2019年にMLBへと移籍したが現在でもライオンズ投手陣の礎となっている。

