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8キロ増“191キロ”に「太り過ぎ」の声も…新横綱・大の里はなぜ強い? じつは“常識外だらけ”の正体「本場所でこんなことをする力士はいない」
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荒井太郎Taro Arai
photograph byKiichi Matsumoto/JMPA
posted2025/06/06 11:03
横綱昇進を決めた夏場所、支度部屋での大の里。すでに“綱の貫禄”が漂っていた
唯一無二の強さを支える“思考力と決断力”
関脇時代の2024年(令和6年)名古屋場所11日目の横綱照ノ富士戦では、先に得意の右を差し、左は差し手争いの状態で横綱十分の右を差させなかった。大の里優勢な体勢だったにもかかわらず、差した右のかいなを自らスパッと抜くと同時に、素早く体を左に開きながら突き落とすと、照ノ富士はつっかえ棒を外されたように前のめりに土俵を這った。
「相手が左上手を取りにきたのでヤバいと思って、自然と右の差し手を抜いて、止まらずに動きの中で突き落とすことができた」
特に格上の相手に対し、せっかく得意の形になりながら、咄嗟の判断で自分からその体勢を崩して次の展開に持ち込むことは、技術だけでなく相当な胆力も必要とするであろう。
既存の定説やセオリーに拘泥することのない柔軟な思考と思い切った決断力も、恵まれた体格と素質、たゆまぬ努力によって培われた“唯一無二”の強さの根幹を成す重要な要素でもあるのだ。

