「長嶋茂雄世代」は本人以外もスゴすぎ…最多本塁打・安打・打点が“長嶋ではなく野村克也”、200勝投手2人に「じつは“あの青汁俳優”も」 

　1位は阪急の左腕エース梶本。長身投手で右の米田哲也と共に「ヨネカジコンビ」と言われたが、当時の阪急は打線が貧弱で優勝に縁がなく「灰色の球団」と言われた。200勝以上の投手では254勝255敗と唯一負け越している。皆川は南海のアンダースローのエース。高卒で入団し、長く南海の投手陣を支えた。1968年に31勝。最後の30勝投手になった。

　3位は長嶋と立教大学の黄金時代を築いた杉浦忠。もともと杉浦と長嶋は、大学の先輩で南海の外野手だった大沢啓二（大沢親分）の勧誘で南海に入るはずだった。長嶋は最後の最後で翻意したが、杉浦は南海へ。彼もアンダースロー。皆川と共にサブマリンコンビで活躍。皆川、杉浦ともに受けた捕手は、これも同世代の野村克也だった。

　4位の土橋正幸は浅草フランス座の軟式野球チームからプロ入り。同学年の毒島や張本、大杉らのいた東映で大エースとなりオールスター出場7回。抜群の制球力を誇った。大矢根は中日のエースとして長嶋入団年の1958年に24勝するも以後衰えた。

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　じつは長嶋世代で最初に世間に騒がれたのは、勝利数で9位にいる空谷泰だった。松山商時代に獲得を狙う各球団のスカウト合戦があり、空谷側は「競争入札」をしたと言われる。学校側は日本高野連から叱られたが、野村克也は「いつか空谷と対戦できるような選手になりたい」と思っていたと言う。

「まずい、もう一杯」あの俳優も“元プロ野球選手”

　この長嶋世代でプロ入りした選手のなかに……もう一人「有名人」がいる。

「まずい、もう一杯」

　青汁のCMで日本中に知られることになった俳優の八名信夫だ。明治大学野球部に在籍したが、大学を中退して東映に。投手としては1勝もできなかったものの、引退して東映の俳優になり「悪役商会」リーダーとして名前を知られるようになった。八名は今も各種メディアに顔を出す。今年8月に90歳になる。長嶋茂雄について語ることもあるのだろうか。

　芸能界では美輪明宏（1935.5.15）が健在。演出家の蜷川幸雄（1935.10.15）、作家の畑正憲（1935.4.17）、アニメ監督の高畑勲（1935.10.29）。海外では昨年亡くなったアラン・ドロン（1935.11.8）もこの世代である。

　歳に不足はないのだろうが――冒頭に述べたように長嶋茂雄の逝去と共に「昭和の時代」は、静かに扉を閉じたような印象がある。とはいえ長嶋とともにON砲を形成した王貞治とのタイトル争いを振り返ると、これもまた球史に残るものだった。〈つづく〉

#2に続く

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