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ネイマール号泣から5年…メッシ&エムバペ放出で「フェーズ3だ」PSGとインテルのCL決勝「イングランドもスペインもドイツ勢もいない」けど必見の理由

posted2025/05/31 11:04

 
ネイマール号泣から5年…メッシ&エムバペ放出で「フェーズ3だ」PSGとインテルのCL決勝「イングランドもスペインもドイツ勢もいない」けど必見の理由<Number Web> photograph by Piermarco Tacca - UEFA/Getty Images

ミュンヘンでのCL決勝に向けて、イニエスタがビッグイヤーをセットするなど、キックオフ前から盛り上がりを見せている

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井川洋一

井川洋一Yoichi Igawa

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Piermarco Tacca - UEFA/Getty Images

 いよいよ、機は熟したか──。

 今から14年前、パリ・サンジェルマン(PSG)がカタールの国家ファンドに買収された。1970年に華の都で創設されたクラブはそれまで、国内リーグで2度しか優勝できなかったが、化石燃料が生み出す底なしの資金が投じられるようになると、翌2012-13シーズンから今季まで、リーグ優勝を逃したのはたったの2回だけ。国内には敵らしい敵がほとんどいなくなり、自ずと照準は未到の欧州の頂点に向けられていった。

ネイマールが号泣した敗戦から5年後のPSG

 コロナの疫病が世界を襲った2020年に、PSGは一度だけ、ビッグイヤーに近づいている。2019-20シーズンは後半戦の春に一度中断され、チャンピオンズリーグは夏にリスボンでの集中開催で一発勝負の決勝トーナメントを再開。キリアン・エムバペやネイマールらを擁したチームは、アタランタとライプツィヒを下して決勝に勝ち進んだものの、無観客の頂上決戦でバイエルンに0-1で敗れた。涙に濡れるネイマールの姿が印象的だった。

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 あれから5年──2度目のチャンピオンズリーグ決勝に到達したPSGは、前回より逞しくなったように見える。大手ブックメーカー、ウィリアムヒルでは、相手のインテル・ミラノよりも勝利の可能性が高いと予想されている。いよいよ、その時は訪れるのか──。

 そもそも、PSGの運営陣は2011年の買収以降、チームを段階的に成長させていく方針だったという。オンラインのスポーツメディア『ジ・アスレティック』はクラブ関係者の証言として、次のように報じている。

「クラブ買収後、まずは安定を第一義としたフェーズ1。フェーズ2は著名選手の力を借りて、チームを欧州のレベルに上げた“スター・フェーズ”。そして3つ目のフェーズでは、新しいトレーニングセンターなどのインフラを整え、育成に力を入れ、移籍市場ではより多くのフランス人選手や若手を迎える。これまでのように、スポーツ面以外での貢献を見込んだ選手ではなく」

ルイス・エンリケが話した「もっともっと強くなる」

 まさにその成熟期のフェーズ3が、現在なのだ。

【次ページ】 スーパースターのひらめきに頼るのではなく

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