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「箱根駅伝で優勝して、世界で勝負する」大学最強ランナー・佐藤圭汰(駒大)を精鋭チーム“Ggoat”の合宿で直撃!「肉体もフォームも改造しました」
text by

佐藤俊Shun Sato
photograph byShiro Miyake
posted2025/05/31 11:05

現在の大学陸上界「最強ランナー」の一人といえる駒澤大4年・佐藤圭汰。彼が修練を積むプロジェクトチーム“Ggoat”の合宿で話を聞いた
Ggoatは海外合宿が多い。それも「非常に良い経験」だと佐藤はいう。
「海外は長時間移動があって大変ですけど、行かないと分からないことがあると思うんです。ボルドーやアルバカーキには世界のトップレベルの選手がいて、彼らの練習を見たり、話をすることで刺激になりますし、標高が高いところでの練習なので最初はきついですけど、日本に帰国して平地で走るときつい時も耐えられるというか、粘り強さが出るので、その効果を感じられます」
海外合宿で自信をつけていく
海外では、日常のなかに非日常がゴロゴロしている。男子10000m全米チャンピオンのジョー・クレッカー(アメリカ)や、パリ五輪女子マラソン銅のヘレン・オビリ(ケニア)と走るなど、日本にいると経験できないことだ。世界で戦うには世界を知ることが大事になるが、海外合宿はそのベースになる。
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海外合宿や海外遠征では、競技力だけではなく、人間力も磨かれるという。
「ひとりで海外合宿に行った時は、自炊をするんですけど、日本と食材が違うし、英語表記だし、調味料も違うし、けっこう大変です(苦笑)。日本では食事をはじめすべてが用意されているけど、海外では日々自分で考えて動くので、そうして合宿期間を乗り越えた時、また少し成長できたかなと思いますし、自信がつきますね」
その経験を繰り返し、自信が積み重なることで、佐藤の意識にも変化が見られるようになった。
「もう日本のレースで、日本人には負けられないというマインドになりました。海外のトップクラスの選手と戦ったり、練習したりすると、どうしても凄さや違いを感じてしまいます。その差を詰めていくために努力して、世界に出ていかないといけないと思うんです。そこで日本で負けているようじゃ話にならないと思うので」
1500mか、5000mか
今、佐藤の主戦場は5000mである。
洛南高校時代は、1500m、3000m、5000mで高校記録を保持していた。駒澤大では当初1500mと5000mをベースにしていたが、1年時に1500mが思うように伸びなかった一方、U-20で5000mの記録を更新し、どちらを取るのか、夏まで非常に悩んでいた。