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「箱根駅伝で優勝して、世界で勝負する」大学最強ランナー・佐藤圭汰(駒大)を精鋭チーム“Ggoat”の合宿で直撃!「肉体もフォームも改造しました」
text by

佐藤俊Shun Sato
photograph byShiro Miyake
posted2025/05/31 11:05

現在の大学陸上界「最強ランナー」の一人といえる駒澤大4年・佐藤圭汰。彼が修練を積むプロジェクトチーム“Ggoat”の合宿で話を聞いた
「大学にいる間は、5000mをやろうと決めました。1500mのスピード練習ばかりやっていると駅伝に影響してきますから。ただ、本音を言えば今も1500mをやりたいと思っています。憧れている選手が(東京五輪男子1500m金の)ヤコブ・インゲブリクトセン(ノルウェー)なので、自分も中距離で世界と勝負したいと思っています」
大学駅伝3冠のために
卒業後、中距離にも取り組んでいくために、佐藤には果たすべき仕事がある。今季、最上級生になり、チームは大学駅伝3冠を目標にしている。
「昨年は箱根だけで、何もチームに貢献できなかったので、今年は“自分がやる”という気持ちがすごく強いです」
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昨年の春に発症した恥骨の疲労骨折のため、佐藤は表舞台から長期間離れていた。
「怪我している時は、メンタルが落ちました。普通、疲労骨折は2週間もすると痛みが消えるんですけど、恥骨は全然痛みが取れなくて……。走る以前に、ちゃんとした生活ができるのか。本当に治るのか、という不安で何もやる気が起きなかったんですけど、そういう時、芽吹さんをはじめ、先輩のみなさんがポジティブな声をかけてくださって、本当にありがたかったですね」
鈴木ら先輩たちには、こう声をかけられたという。
「今、怪我しているからといって、競技人生が終わるわけじゃない。あまり落ち込み過ぎず、今後のために今できることをしていこう」
肉体とフォームの改造
彼らの言葉に救われた佐藤は、復帰に向けて肉体とフォームの改造に着手した。それまでの走り方だと内転筋が使えていなかったので、接地した際に体の外側に負担が集中し、足が内側に入る。それを防ぐため、内転筋、臀筋を鍛えた。また、腕振りも外側に振り過ぎてロスが多かったので、コンパクトにして左右のバランスを整えた。そうして佐藤は10カ月ぶりにレースに復帰し、箱根駅伝の7区を駆けた。