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プロ野球PRESSBACK NUMBER
「楽天の人気が…なぜ低迷?」「巨人の若者人気、復活あるか」甲子園球児が選ぶ“好きなプロ野球チーム”で検証…やはりスゴい「中日と阪神の“地元熱”」
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岡野誠Makoto Okano
photograph byJIJI PRESS
posted2025/06/01 11:04
5月24日、楽天モバイルパーク宮城で。試合観戦する『たべっ子どうぶつ THE MOVIE』のキャラクター
○中国 13年4校 25年2校
13年 1位:巨人(38.9%) 2位:広島(22.2%) 3位:阪神(11.1%)
25年 1位:広島(45.0%) 2位:阪神(22.5%) 3位:ソフトバンク(15.0%)
○四国 13年4校 25年2校
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13年 1位:巨人(36.1%) 2位:阪神(23.6%) 3位:日本ハム(9.7%)
25年 1位:広島(20.0%) 2位タイ:巨人、ソフトバンク(17.5%)
○九州 13年4校 25年5校
13年 1位:巨人(32.9%) 2位:ソフトバンク(30.1%) 3位:阪神(11.0%)
25年 1位:ソフトバンク(47.0%) 2位タイ:巨人、阪神(10.0%)
センバツ球児という限定的な集合体であり、母集団も少ない。ただ、25年の集計では各地区の1位のほとんどがその地域、または近隣の地域の本拠地を持つ球団になっており、世間の実感と合致するのではないだろうか。
ソフトバンク躍進、中日人気は不動
この12年間でプロ野球チームの人気は、より分散したという見方もできる。13年のセンバツ球児は95年~96年度生まれであり、物心ついた頃にまだ巨人戦が地上波で全国中継されていた。今年の球児はその時代を知らない。この違いが、さらなる分散化を促した面もあるだろう。
一方で、強さと人気の比例関係は昔も今も変わらない。たとえば、広島は地元の中国地区で13年春は2位だったが、25年春には1位に。当時は15年連続Bクラスだが、その後3連覇もあって人気が上昇した。
ソフトバンクも地元の九州地区で13年春は巨人の後塵を拝したが、25年春はトップを奪った。15年就任の工藤公康監督が7年間で5度の日本一に導き、強豪のイメージを築き上げた。今年のランキングでは、地元以外の地区でも全てベスト3に入っている。黄金時代を作ると、人気が全国的に広がるようだ。
中日は地元の東海地区で13年春は2位、25年春は首位に立っている。ただ、占有率は0.1%しか変わらない。直近10年の成績を比べると、前者は全てAクラス、後者は1年を除いてBクラスと正反対である。なぜ、強い時も弱い時も人気が変わらないのか。ドラゴンズは76年も名古屋を本拠地にしており、地元に根付いているからだろう。阪神も同じ傾向がある。これこそ、フランチャイズ制の理想だろう。

