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「選手が信頼を感じる理由は…」Bリーグ・宇都宮のヘッドコーチが46歳でまさかの急逝…ベテランスタッフが振り返る「それでも仲間の心に残る」ワケ
posted2025/05/25 17:01

今年2月、46歳で急逝した宇都宮ブレックスのケビン・ブラスウェルヘッドコーチ。右はその早すぎる死を悼んで、スタッフと選手が身に着けるリストバンド
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ミムラユウスケYusuke Mimura
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(L)JIJI PRESS、(R)Yusuke Mimura
「患者さんの負担を考えて、チームで面会する人はある程度、決めていただけないでしょうか?」
病院側からそんな要望を伝えられたのが宇都宮ブレックスで通訳、チームマネージャー、GMアシスタントという3つの仕事を任されている加藤敏章だ。
ブレックスのケビン・ブラスウェルヘッドコーチ(HC)が、1月17日に倒れた。
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そして搬送された病院で心臓に疾患があることがわかり、緊急手術が行われた。そこからは術後の合併症と戦うことになったのだが、その状況で病院から伝えられたのが冒頭の言葉だった。
多くの人がブラスウェルの見舞いに来たいのは病院側も理解していた。ただ、当然ながらなるべく患者への負担はかけたくない。結果的にそれ以降、ブレックスからは社長の藤本光正と加藤の2人がチームの代表として身の回りの世話をすることになった。
病に倒れたとき、ブラスウェルの家族はニュージーランドに滞在していたため、当初は加藤がビデオ通話機能を使って、家族にブラスウェルの様子を見せこともあった。
ヘッドコーチがまさかの急逝…46歳の若さ
だが、献身的な看病の甲斐もなく、ブラスウェルは2月24日に帰らぬ人となってしまう。ブレックスの選手たちはその後にようやく、指揮官と対面することができた。46歳での早すぎる最期。副キャプテンの渡邉裕規は自身のラジオ番組で、天国に飛び立った彼の寝顔をみたとき「パッと起きて、冗談を言いそう」に感じたと振り返っている。
他にも、ブラスウェルに高く評価されていた鵤誠司は「『陽キャ』と言われる人でも『陰キャ』と言われる人でも、情熱家の人はいると思います。ケビンは『陽キャ』の情熱家なのだと思います」と語っていた。