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プロレス写真記者の眼BACK NUMBER
「プロレスはダンスじゃない」ロッシー小川が怒った日…「マリーゴールドは発展途上。厳しく見られるのはいいこと」旗揚げ1年“採点は80点”の真意
text by

原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2025/05/20 17:36

1周年を迎えるロッシー小川のマリーゴールド
古巣スターダムに残る“ロッシー小川の亡霊”
小川は今後の展望を語った。
「2年目は4回ビッグマッチをやりたい。やらないと選手のモチベーションが上がらないので。やりすぎてもビッグマッチ感がなくなってしまうから。本当に団体がよくなったら毎月。WWEだって前は4回しかなかったのに、今じゃ毎月ですよね。あと、『選手が増えたから、ユニットを』という考えもあるでしょう。でも、ユニットを作ってしまうと他のユニットと交流しないというデメリットが生じる。視野が狭くなって世界が広がらない。あってもいいけれど、どうなのかなあ」
「新しい若いファン層を開拓したい。10代の選手が出てきて10代のファンに見に来てほしい。昔はテレビが地上波のゴールデンタイムでやっていたから、普通に昨日はどうだった、こうだったという話をしていましたから。ジャンル多様化の中で、もうプロレスって70年くらいやっている。上がって、下がって。そうなると、ほとんどの人が見ていないんです。たとえば大谷翔平は、野球を見ない人でも結果は気になる。そんな存在。岩谷がジャンルを支えるスターになるか、自分だけの世界で終わるか。本人が本気にならないとダメですよね。プロレスじゃ本気だけど、『犬や猫がいるから海外は行けない』とか言っているし(笑)」
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かつて自身が立ち上げたスターダムについては、実際のところどう思っているのか。
「我々は仲間という意識で、好きでやっているから、スターダムのような人事異動はないんです。スターダムはいい経験でしたよ。会社はコンプライアンスを気にしますから。噂にも神経質になっていますよね。うちのようにファミリーがいいかどうかはわからないです。(スターダム社長の)岡田太郎さんは自分と30歳も違うから、今の人たちには合っているのかもしれませんね。でも、私が作ったものを一掃しないとね。ベルトやトーナメントの名前も変えていない。それらを取り払って過去のものを全部断ち切らないと、私が亡霊のようにいる感じですよね。玖麗さやかもさくらあやも、自分がつけた名前ですから」
小川も68歳になった。4月25日の後楽園ホールではリングから階段を降りる時に転んでしまった。
「あと2段のところで、一気に降りようとしちゃって。ちゃんと1段1段降りないとダメですね。脚力が弱っていますからね。自分は引退してもいい年でしょう。でも、じっとしていられないんです。気力はありますよ。マリーゴールドはまだできたばかりなので、突っ走れた1年でした。ほかの人から見たら、『まだやっているの?』と言われるかもしれませんが、これからは団体の後継者を作らないと。あと2年で私もプロレス業界50年、そして70歳になりますから、いろいろやっていきますよ」
<前編とあわせてお読みください>

