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プロレス写真記者の眼BACK NUMBER
「プロレスはダンスじゃない」ロッシー小川が怒った日…「マリーゴールドは発展途上。厳しく見られるのはいいこと」旗揚げ1年“採点は80点”の真意
text by

原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2025/05/20 17:36

1周年を迎えるロッシー小川のマリーゴールド
「プロレスはダンスじゃない」ロッシー小川が怒った日
昨年、小川は「耐える時」という言葉を使った。
「旗揚げから、最初は話題性だけできて、動員が落ちることもあった。ただ、育成期間なんです。若手が半分以上いますから、団体としての繁栄は若い選手が上がってきた時じゃないですか。それをまた次の世代がつなぐわけですけど。マリーゴールドは、まだ団体として発展途上。選手一人一人もそうだし。厳しく見られているのは、いいことだと思います。後楽園では試合が終わった後、全員を集めてミーティングをするんですが、一度だけ、初めて個人的に怒りました」
小川が続ける。
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「自分で怒ることは、まずないんですけどね。第1試合で、やる気がないような試合だったから。もし一番前で見ていたら、『もうやめろ』って言ったかもしれない。そんなんじゃ駄目だって。プロレスそのものをよく理解できてなくて、何なのかがわからなくてやっている。プロレスはダンスじゃないんだから。今のプロレスラーはダンスしたがるんです。ダンスは決まった内容を間違いなく正確にやること。プロレスは違う。昭和のプロレスと令和のプロレスは違うかもしれないけれど、プロレスというものの本質を理解できないと、うまくなれない。自分の考えが必ずしも合っているとは思わないんですけれど、ゲーム的なプロレスは好きになれない。ファンには彼女たちの成長過程を見ながら楽しんでほしい」
マリーゴールドの大きな課題の一つに、道場がないことが挙げられていた。
「1年間ずっと探してきたんですが、音の問題とか、水回りとか、天井が低いとか、いろんなものをクリアしなきゃいけないので難航しました。今度見てきたところはちょっと遠いんですけど、広いし、これで決まればいいと思います。試合はよくなってはいますよ。ただ、もうちょっとどうにかならないかなというのがあるんです。リングトラックも買ったり、マイクロバスも買った。選手全員は乗り切れませんけれど、まだ大型バスを買うような団体ではないので」
選手は確かに増えた。だが、いなくなった選手もいた。
「ジュリアがいなくなって、Sareeeもいない。ボジラも家庭の事情でドイツに帰ってしまった。そして、奈七永がいなくなる」
今のファンは団体の“箱推し”というよりも、個々のレスラーについている。誰かが抜けたらダメージになるが、次の選手は出てくる。