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ボウ然の久保建英「ユニホームを噛んで悔しそうに」元相棒が最速ハットトリック…前半で白旗「ベンチでしばらく動けず」ソシエダに漂う“絶望”
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中島大介Daisuke Nakashima
photograph byDaisuke Nakashima
posted2025/05/14 17:09
アトレティコ・マドリーとの一戦、久保建英とレアル・ソシエダはかつての戦友セルロートに粉砕された
繰り返された早い時間帯での失点に、宙へと悔しさをぶつける久保の姿が撮影できた。
さらにセルロートは10分、11分、30分と前半だけで4得点を奪う活躍。11分でのハットトリック達成は、リーガ最速記録となった。
2失点目のきっかけは、久保がCBのヨン・マルティンとお見合いする形で相手に自由を与えてしまった。そして3失点目では、CBのなんでもないクリアが味方に当たりセルロートの元にこぼれ落ちてしまう不運が重なると、立て続けの失点に茫然自失となる姿が映った。
試合終了後、久保はしばらく動けなかった
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ただここからソシエダは久保を中心に反撃を試みる。久保自身も後半に向けたペース配分など頭にないかのようにガムシャラに相手を追いかけ、身体をぶつけて戦う姿を見せた。
久保の身体自体はキレており、複数のマークをものともせず攻撃を牽引し続け、ユニホームを噛み悔しさを表す久保の姿は、痛々しい程の意志を感じさせたがゴールを奪うまでには至らなかった。
ソシエダ指揮官イマノルは、攻撃の可能性はほぼ久保からしか感じなかった中、ハーフタイムで久保とオヤルサバルを交代。中2日で次節を迎える過密日程を考慮した、実質的な白旗宣言となった。攻撃の起点を失い、勝ち点獲得が絶望的となったソシエダと大量リードのホームチームの後半は、無得点のまま終わりを迎えた。
試合終了後のベンチでは、しばらく動くことのできない久保の姿があった。
久保の元相棒セルロートを逃してしまった代償
上述したように、セルロートは22-23シーズンにソシエダでプレーしていた。そのシーズンのソシエダは4位でフィニッシュし、CL出場権を獲得する躍進を見せた。
セルロートが抜けて以降、フィニッシャーの不在から得点力不足に苦しむソシエダとしては、逃がした魚は大きかったではなく、真の大きい魚を逃してしまっていたようだ。
中2日で行われたセルタ戦、久保はフル出場したもののチームは0-1で敗戦。来季EL出場権の可能性が消滅した。ECL(ヨーロッパカンファレンスリーグ)圏内も極めて厳しくなる12位のチームの中で、残り2試合で希望を見出せるだろうか。







