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「ソフトバンクは“数字”に厳しすぎ」ホークスOBが語る、ソフトバンク“育成の弱点”「水谷瞬も吉田賢吾も…日本ハムに移籍するとブレイクする事情」 

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遠藤修哉

遠藤修哉Naoya Endo

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posted2025/05/09 18:29

「ソフトバンクは“数字”に厳しすぎ」ホークスOBが語る、ソフトバンク“育成の弱点”「水谷瞬も吉田賢吾も…日本ハムに移籍するとブレイクする事情」<Number Web> photograph by JIJI PRESS

右脛骨骨挫傷で離脱中の柳田悠岐(36歳)。ソフトバンクは主力にケガ人が続出している

 日本ハムが優勝するためにはオリックスをおさえる必要があるが、両チームの比較を武田氏はどう見るのだろうか。オリックスは今年から岸田護監督が采配を振るい、17勝12敗3分と貯金5。そのなかで太田椋が4月パ・リーグ最多の35安打、打率.420とバットを振りまくっている。

「たしかに、投打ともにいまは日本ハムよりオリックスのほうがはるかにいい。今年は評論家たちの予想を裏切る形になってるけど、Aクラスには絶対残るだろうね。このチームの特徴として、投手は良いのに打てないのが泣き所。そのため去年はさっぱり勝てなかったが、今年はラオウ(杉本裕太郎)、頓宮裕真がここまで好調でしょう。さらにこの2人に加えて、太田椋が覚醒。もともとドラフト1位(2018年)の逸材で、ポテンシャルは高い。今年は体力もついてきたから、好調が長続きすると思うよ。オリックスで打撃投手をやっている太田のお父さん(※太田暁、54歳、元近鉄)は、うれしくてしょうがないでしょう。オリックスは2021年からリーグ3連覇していて経験値の高いチーム。勝ち方を知っているチームの戦力が整ったら、これは強いですよ」

ソフトバンク育成の“弱点”

 そんな景気のいい話の一方で、昨年のペナント優勝チームは、最下位生活が続いた(14勝17敗2分で現在5位)。かつての常勝軍団ソフトバンクは、自慢の野手陣が死屍累々で、近藤健介が椎間板ヘルニア発症で手術、柳田悠岐が右脛骨骨挫傷、周東佑京が右腓骨骨折、今宮健太が右前腕の筋挫傷と4月は故障の連鎖が続いた。山川穂高を除く開幕戦に出場した野手8人が一軍に不在では、指揮官も手立てがないだろう。

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「いまは4番の山川ひとりが長距離砲。他は安打をコツコツ積み重ねる印象だ。山川が気を吐いているけど、近藤、柳田が不在なので、相手チームからすれば、打線は山川だけマークすれば大丈夫という状態が続いている。ソフトバンクは5月、どこまで上げていくか。5月に負け越すようだと、優勝はおろか、Aクラスも危ないんじゃないか」

 古巣の低迷は、武田氏にとっては意外ではないという。

「オレの開幕前の順位予想としては2位にソフトバンクを挙げているし、いろんな評論家たちも『ソフトバンクがダントツ』と口を揃えていたけど、OBとしては違和感があります。強い時代のホークスを知っている身としては、キャンプを見ると『小粒だな』『パンチがないな』と感じてしまうんですよ」

 かつてのような重量打線と比べては、いまの選手は気の毒だが、武田氏は球団の育成・選抜システムにも原因があると指摘する。

【次ページ】 ソフトバンク育成の“弱点”

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