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「おかしな格好で撮影」「未払いで音信不通に…」ビーチバレー西堀健実がダマされた“アスリート活動支援のワナ”「周囲への相談も大切です」
posted2025/05/22 11:03

西堀健実さん(Biid株式会社所属)のNumberWebインタビュー第4回/ウエア提供 ウィルソン
text by

吉田亜衣Ai Yoshida
photograph by
BeachVolleyballStyle
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巡ってきた機会を好機として捉えるか、はたまた危機へと転じてしまうか。そのときの判断で運命が大きく分かれる。
一見、これまでチャンスを掴んできたように見える西堀だが、実はその裏側でいくつも危機に直面していた。
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「美和とペアを解散して1人で活動し始めた頃、当時やっていた個人ブログにたくさん連絡がきました。自分はプロダクションの人間だから私とメディアの間に入るよ、仕事をとってきたらお金を払うよ、という人が多くて。だけど、仕事をしたのにお金を払ってもらえなくて。急に音信不通になることもありました。そういうケースがあまりにも続いたんですけど、周囲に迷惑をかけないように1人で活動していこうと思ってやっていたことが、逆に騙されることにつながって結果的に迷惑をかけた部分もありました」
「半分アイドル、半分アスリートみたいな衣装で…」
1人で活動というのはつまりフリーランスだ。会社からの給料はない。自らの手で所属先やスポンサー企業を獲得できないと活動費は生み出せない。焦っていた。喉から手が出るほど活動費を求めていた。早く生活環境を整えて競技に集中したかった。窮地に立たされていた西堀の判断力は鈍っていた。
「世間からはアスリートは注目されて華やかと思われている中で、そうじゃない部分もたくさんある。けれど、そういう部分を見せたくなかったから、無理していたところもありました。お金がどんどんなくなっていくし、少しでもあったほうがいいと思って、冷静な判断ができないときもありました。スポンサーを集めてくれるという理由で契約した会社さんに半分アイドル、半分アスリートみたいな衣装を着させられて、どう見てもおかしな格好で撮影したこともありました。その後、スポンサーさんからは、間に入ってる会社の人はどういう人なんですか? と聞かれるようになって……」