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「美和は包み隠さず相談してくれて…」西堀健実が明かす、元ペア浅尾美和との真実…“ビーチの妖精フィーバー”の裏でテレビに感じた「おかしさ」
posted2025/05/22 11:02

西堀健実さん(Biid株式会社所属)のNumberWebインタビュー第3回
text by

吉田亜衣Ai Yoshida
photograph by
Kazuaki Matsunaga
春高バレーで「西堀ツインズ」と呼ばれ注目を集め、JTマーヴェラスを経てビーチバレーでも人気選手となった西堀健実。44歳となる今年も、現役選手としてビーチに立つ西堀が今明かす、“ビーチの妖精”浅尾美和との4年間。《NumberWebインタビュー第3回/第4回に続く》
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「背水の陣でした」
勝てない、食えないの競技生活に限界を感じていた西堀健実は、“ビーチの妖精”として注目を集め始めていた浅尾美和とペアを組んだ当初を振り返り始めた。
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「ここで結果を出さないともう終わると思っていました。当時コーチをしてくれていた川合庶さんから、『すべてをかけて美和と組む覚悟はありますか?』と聞かれたのを覚えています。一緒に表彰台に上がれたことは大きなチャンスでした。そこで負けていたら、美和と組むことはなかったと思います」
「本当につらそうでした」隣で見た、浅尾の苦悩
フレッシュさを武器に西堀/浅尾組は、翌2006年から国内ツアーの表彰台へコンスタントに上がるようになった。同年にスポーツバラエティ番組のビーチバレー対決にペアで出演。“ビーチの妖精”というフィルターを通して、ビーチバレーという競技が広く知られるようになったことは事実だ。
そのパートナーである西堀の生活も大きく変わった。
「美和の事務所の社員という形で契約していただき、お給料をいただくようになりました。遠征費用も出していただけるようになって、国内外を転戦できるようになったんです。でもそのお金は、美和を含めた社員の方がお仕事をして生み出したもの。当時は社員ということに甘んじて、自分で動いてスポンサーを集めるという発想はなかったですね」
いわゆる、浅尾のバーター。それでもいいと思っていた。けれども、渦中にいる浅尾はもちろんのこと、西堀も葛藤にのみ込まれた。