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「面接は何社も落ちました」あの人気ビーチバレー選手が明かす“アスリートの転職活動”のリアル…西堀健実(43歳)が言われた「まさかの一言」 

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吉田亜衣

吉田亜衣Ai Yoshida

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photograph byShiro Miyake

posted2025/05/22 11:00

「面接は何社も落ちました」あの人気ビーチバレー選手が明かす“アスリートの転職活動”のリアル…西堀健実(43歳)が言われた「まさかの一言」<Number Web> photograph by Shiro Miyake

西堀健実さん(Biid株式会社所属)のNumberWebインタビュー第1回/ウエア提供 ウィルソン

「所属先やスポンサー営業はトヨタに入る前にも活動していました。以前と違うのは、アスリート専門の転職サイトがたくさんあるということ。若い世代は需要もあります。ただ私の年齢だと業務、職種が限定されることが多いです。メールは、毎日1件は絶対に調べて問い合わせ窓口から連絡していました。でも、返信をいただけないところもあります。実際、面接は何社も落ちました。本当、めげますよ。

 ビーチバレーをやっていたという経歴もあり、最初の食いつきはいいけど……落とすんかいって(笑)。でも、落ちて当然だったと思います。せっかくお話しする機会をいただいたのに、あなたが働くことでどんなメリットがありますか? どのくらい働けますか? など聞かれても、出場予定の大会と照らし合わせるとほぼ勤務できないことが浮き彫りになって、すみません、と」

面接官からの「グサッときた」ひと言

 西堀が目指していたのは、競技と仕事を両立させるデュアルキャリアだった。競技ではオリンピック出場が目標、その一方で、セカンドキャリアを視野に入れた仕事がしたいと相反する言葉を発していた。求職活動をしていたある日、アスリート専門の転職サイトを運営している会社の面接官から思ってもみなかった厳しい言葉を投げかけられた。

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「オリンピックを目指しますと言っているけど、本当に仕事しながら勝てると思っているんですか? と言われました。初対面なのに、なんでそんなふうに言われないといけないんだ!? と思いました。ビーチバレーしかやってこなかったし、今の自分は何もできないけど、どんな業種でも社員として採用が決まったら頑張んなきゃいけないと思っていたので……。グサッときましたね」

 正直、腹が立った。でも西堀は、その言葉を捨てなかった。

「すぐには受け止められなかったけれど、よく考えてみると自分の考えは仕事もしたい、オリンピックも目指したいと中途半場だなと気づきました。当然、そのサイトで紹介案件はいただけなかったんですけど、面接の最後にアスリートとして価値があるうちはアスリートとしてやんなきゃダメですよって言われました。それからは、自分のやるべきことを明確に伝えようと、決めました」

【次ページ】 「セカンドキャリアを考え始めたのは、ここ2~3年」

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