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「アズマ(東克樹)や(アンドレ・)ジャクソンのおかげで…」DeNAアンソニー・ケイ“2年目の充実”を支えるもの「日本に来たことは正解でした」
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石塚隆Takashi Ishizuka
photograph byJIJI PRESS
posted2025/05/05 11:02

昨シーズンは6勝9敗、防御率3.42だったアンソニー・ケイだが、今季序盤は抜群の投球内容で波に乗り切れないチームを支えている
普段は真面目だが素顔はユーモアも
入団当初はそのキャリアから未知数の投手だったが、今はチームにとって欠かせない存在となった。マウンド上で見せる冷静な表情かつ、時に見せるパッションはチームの士気を高めている。ケイと話していて感じるのは、DeNAの外国人選手すべてに言えるが、真面目で日本の野球をリスペクトしていることだ。そして、ふと見せるチャーミングな表情も印象的だ。そんなニューヨーク出身のケイの素顔を、来日してから身近に接してきた伊東雄太通訳が次のように教えてくれた。
「普段はおとなしそうに見える選手ですが、じつはすごくユーモアがあって、よく選手同士でいじり合ったりしているんですよ。東選手や大貫(晋一)選手と頻繁にコミュニケーションをとっていたり、後輩の松尾(汐恩)選手をかわいがっていたり、本人が言うように2年目ということでチームや環境に慣れて、素直な自分が出せていると思いますね」
感覚を大事にするピッチャー
では傍らから見ていて、野球に向かう姿勢はどうだろうか。伊東通訳はつづける。
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「あくまでも私の印象ですが、ケイ選手は自分の感覚をとても大事にしているタイプのピッチャーだと思います。例えばジャクソン選手や(トレバー・)バウアー選手は、データを熟知し分析することで自分のピッチングに生かすタイプだと思うのですが、ケイ選手はそれよりもフィーリングを大事にし、それを適切に言語化できている。データに頼らないというわけではなく、その分野においても自分の知見を述べることもできますしね」
フィーリング重視のピッチング。今季からバウアーがチームに再加入したが、同じ先発として、どのような印象を持っているのだろうか。真摯な表情を見せケイは語る。
「彼とはまだ野球について深い話はしたことはないんですけど、周りのピッチャーに素晴らしい助言をしているのは知っているので、チームにとってすごくいい影響はあると思います。僕も彼に助けてもらいたいと思ったときにはアドバイスを訊いてみたいですね」