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「50キロ以上の体重差」でも…角田夏実と阿部一二三の“体重無差別”挑戦はなぜ熱狂を生んだ? 軽量級人気選手のコメントに共通した“ある言葉”
text by

松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byJIJI PRESS
posted2025/05/02 17:04
無差別で行われた柔道の全日本女子選手権、全日本選手権で話題を集めた角田夏実と阿部一二三
“無差別柔道”が熱狂を生んだ理由
1994年にも快挙が生まれた。バルセロナ五輪78kg級金メダルの吉田秀彦だ。
白眉は準決勝。大会6連覇を狙っていた小川と対戦、足技などを仕掛ける一方、小川の技には耐えてみせ、旗判定で勝利したのだ。決勝では金野潤に敗れたが、大会を象徴する一戦となった。
柔道に限らず、「ジャイアントキリング」はスポーツの魅力でもある。そしてジャイアントキリングが起こる要因の一つは、挑む立場が本気で勝ちに行ったことにほかならない。
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体格差ゆえのリスクもある中で軽量級が挑むという構図は、スポーツの持つ、挑戦するという魅力とともに、まさにジャイアントキリングの実現を楽しみとするのに適した形だ。
全日本女子選手権、全日本選手権が盛り上がりをみせたのも、そこに理由があるだろう。

