オリンピックへの道BACK NUMBER

「50キロ以上の体重差」でも…角田夏実と阿部一二三の“体重無差別”挑戦はなぜ熱狂を生んだ? 軽量級人気選手のコメントに共通した“ある言葉”

posted2025/05/02 17:04

 
「50キロ以上の体重差」でも…角田夏実と阿部一二三の“体重無差別”挑戦はなぜ熱狂を生んだ? 軽量級人気選手のコメントに共通した“ある言葉”<Number Web> photograph by JIJI PRESS

無差別で行われた柔道の全日本女子選手権、全日本選手権で話題を集めた角田夏実と阿部一二三

text by

松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

PROFILE

photograph by

JIJI PRESS

 4月20日に全日本女子選手権、4月29日に全日本選手権と、柔道の2つの大会が行われた。いずれの大会も、例年以上の注目と盛り上がりをみせて幕を閉じた。

 中心となったのは、軽量級において日本を代表する選手たちだった。

 この2つの大会は無差別で実施。つまり階級に関係なく、出場資格を得れば出ることができるが、全日本女子選手権にはパリ五輪48kg級金メダルの角田夏実が出場。一方の男子では東京・パリ2大会金メダルの66kg級の阿部一二三、さらには60kg級の永山竜樹、73kg級の橋本壮市とパリ五輪の銅メダリストも出場。いわば「小兵」の選手たちの挑戦が話題を集めた。

阿部一二三が鮮やかに決めた背負い投げ

ADVERTISEMENT

 角田は1回戦で登録体重90kgの鋳山真菜実と対戦、終始攻勢に立ち、旗判定で3-0、優勢勝ちをおさめると2回戦では9度出場している登録体重76kgの橋高朱里から巴投げで有効を奪って勝利。3回戦では70kg級でグランドスラム大会優勝などの実績を持つ寺田宇多菜に旗判定で敗れたものの、場内を沸かせた。

 阿部は1回戦で81kg級の佐藤佑治郎と対戦、開始1分23秒、背負い投げで鮮やかに一本勝ちを収めた。2回戦では体重120kgの鈴木太陽とあたる。残り53秒で一本負けを喫したが、試合開始から果敢に攻めに出るなど積極的な柔道をみせた。

「2回戦も自分の攻める柔道ができたので悔いはないです」

「軽量級でも重量級と戦えるのをみせられました。今日はすごく幸せだなと思いましたし、あらためて柔道が好きで僕には柔道しかないと思えました」

【次ページ】 阿部と角田のコメントに共通した“ある言葉”

1 2 3 NEXT
#角田夏実
#阿部一二三
#永山竜樹
#橋本壮市
#吉田秀彦
#小川直也
#古賀稔彦

格闘技の前後の記事

ページトップ