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「えっ、嘘でしょ」原口元気がいま明かす“まさかのW杯代表落選”「朝に目が覚めて確認したら…信じられないという言葉しかなかった」《NumberTV》
posted2025/04/24 11:03

カタールW杯代表“サプライズ落選”を経験した原口元気がNumberTVで自らの「挫折地点」について明かした
text by

二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph by
Kiichi Matsumoto
【初出:発売中のNumber1118・1119号[挫折地点を語る]原口元気「W杯落選からもがき続けて」】
まさかの代表落選
まさに青天の霹靂であった。
2022年11月1日、発表されたカタールワールドカップ日本代表26人のなかに、あるはずの自分の名がなかった。
ベルリンにいた原口元気はその事実を、朝起きてから知ったという。
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「当然入るものだと思っていましたから(リアルタイムで)チェックしていなかったし、そこまで気にもしていなかったんです。朝に目が覚めて確認したらメンバーに入っていなくて、そのことを伝えた妻も『えっ、噓でしょ』と。あのときは信じられないという言葉しかなかったですね」
無理もない。森保一監督のもと南野拓実に次いで2番目に多い38試合に出場していた。先発機会こそ減っていたとはいえ、チーム立ち上げ時からずっと森保ジャパンとともにあった。“サプライズ落選”に打ちのめされる自分がいた。
「あのロシアで、あのベルギーに負けてからの4年半、カタールで勝っていくことを僕自身、何百回も、何千回も思い描いて努力してきて日本代表の集大成として行くつもりでした。それが最後の最後になって、そのチャレンジができないとなったわけですから」
前回のロシアではひと際輝きを放つ背番号8がいた。優勝候補の一角、ベルギー代表とのラウンド16。0−0 で迎えた後半3分、柴崎岳のスルーパスに抜け出して冷静にゴール左隅に蹴り込んでノドから手が出るほど欲しかった先制点をチームにもたらした。
だが、反撃を浴びて2点リードを追いつかれ、終了間際に決勝点を奪われた衝撃の敗北は、「ロストフの悲劇」と呼ばれることになる。ベンチに下がっていた原口からゴールの喜びが消え、激しい悔しさだけが胸に渦巻いた。
次こそはベスト16の壁を超えてやる…
原口はそのときの感情を思い起こすかのように、自然と強い口調になっていた。
「(ケビン・)デブライネも(エデン・)アザールも僕と同じ91年生まれ。ブンデスでは世界のトップレベルの選手たちと戦ってはいましたけど、ワールドカップの舞台で同世代のトップ中のトップとも戦ってみて、また違った感覚になりました。自分が持っているすべてを出し切っても、勝てなかった。必ず彼らに追いついて、次こそはベスト16の壁を越えてやるっていう思いになったんです」
努力すれば可能になるーー。その成功体験が原口を突き動かしてきた。
<後編に続く>
【番組を見る】NumberTV「#19 原口元気 まさかの落選、もがき続ける日々。」はこちらからご覧いただけます。
