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プロレス写真記者の眼BACK NUMBER
スターダム“敗者引退マッチ”に賛否も「伝説の試合になる」上谷沙弥が断言…「もう、好きとか嫌いとかじゃない」愛憎を超えた“中野たむへの思い”
text by

原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2025/04/19 17:11

引退をかけて中野たむと対戦する上谷沙弥。宿敵への“本当の思い”を明かした
上谷は続ける。
「4.27の後? 引退と赤いベルト。これ以上のことってあるのかな? って思うくらい究極の闘いだと思っている。でも常に最高を更新してきたからな。プロレスラーである限り、欲をもって追い求めないといけない。それ以上と言ったら、東京ドームでメインか。今、一番やりあえるのが中野たむだから、あいつを失ったら、誰と闘うんだろうな……。まあ、私は燃え尽きたりはしないけど。私の引退の時期? 何も考えたことない。白川の時はめちゃくちゃ落ち込んで、『ああ、もう辞めたいなあ』とかはあったけれど、結局こうして続けているわけで、今のところは何も考えてないよ」
横浜アリーナでの激闘を終えた後には、女子プロレス界を牽引する覚悟がある。
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「引退マッチ自体はこれから何十年経っても色あせない伝説になる。でも、これで終わりじゃなく、プロレスがもっと日常になってほしい。ライブ観に行こう、野球観に行こう、サッカー観に行こうみたいに、プロレスがもっと日常的なものになるんじゃないかな。気軽に行ける選択肢の一つにならないと。そう、私が変えていかないとな」
「もう、好きとか嫌いとかじゃない」中野たむへの思い
22歳でデビューした上谷も、気づけば28歳になった。
「もう28だよ。時間が経つの超早いな。ヤバい、もうすぐ30か……。女性としてヤバいのはそっちかな。30歳、こわっ! でも、『上谷は結婚できない』とか、あいつ(中野)に言われる筋合いない。まあ、こっちも言っているけど、私はあいつよりいい女だし? あいつより先に結婚してやるよ!」
電車でファンから声をかけられることも増えたという。
「あかんべーで返すよ。私は型にはまらない。私に普通というのはないからね。そもそも普通って何? 私たちの関係も普通じゃない。中野たむのことは大嫌いだけど、毎日あいつのことばかり考えている。どうやったら、あいつが嫌な思いするか……。あいつのことで頭がいっぱい。それは愛情の裏返しかもしれないな。もう、好きとか嫌いとかじゃないけどな」