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「夢のような新戦力が、まさか短期間で」45億円移籍→骨折から復帰→食事会で祝福のち再び…日本代表DF伊藤洋輝の不運をバイエルン番記者が嘆く
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ゲオルク・ホルツァーGeorg Holzner / Kicker
photograph byCraig Foy/Getty Images
posted2025/04/22 06:05

バイエルン1年目は苦難のシーズンとなった伊藤洋輝。番記者のリアルな本音は?
「半年間のリハビリをサポートしてくれた方々に感謝します。また一つ子供の頃からの夢が叶いました。またここから新たなスタートをバイエルン・ミュンヘンで。本当にありがとうございました」
選手、コーチ陣、スタッフ、スポンサー、近しいメディアの一堂に会する試合後の深夜の食事会では、クラブのCEOを務めるヤン=クリスティアン・ドレーセンが珍しく、ひとりの選手を名指しして、300人以上の人々の前で次のように紹介した。
「クラブに加入してから198日間もの間、公式戦に出場できなかった選手がいる。ヒロキに、温かい賞賛の拍手を! ヒロキ、君がついに復帰してプレーしたことを心から嬉しく思う。バイエルンの全員が同じ気持ちだよ」
誰もが前向きに…まさか短期間で終わるとは
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この言葉には嘘も偽りもなかった。昨季までの3シーズン、シュツットガルトで評価を確立した伊藤の新天地での遅れたデビューを、バイエルンに関わるすべての人が喜んでいたのだ。
ブンデスリーガとチャンピオンズリーグの2冠を目指すチーム──DFBカップでは12月のラウンド16でレバークーゼンに敗北──にとって、大事な終盤戦を戦い抜くための貴重な戦力が上積みされたと、誰もが前向きな気持ちになれたところだった。
それがまさか短期間で終わるなど、その頃のバイエルンに予想できた者はいなかった……。〈つづく〉

