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「体重33kg減」108→75kg大変身、柔術で世界一…強すぎる“異色の吉本芸人”、ガリットチュウ福島がホメる“意外な俳優”「元V6岡田准一さんは僕よりも柔術をやってます」 

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布施鋼治

布施鋼治Koji Fuse

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photograph byTadashi Hosoda

posted2025/04/13 11:10

「体重33kg減」108→75kg大変身、柔術で世界一…強すぎる“異色の吉本芸人”、ガリットチュウ福島がホメる“意外な俳優”「元V6岡田准一さんは僕よりも柔術をやってます」<Number Web> photograph by Tadashi Hosoda

ガリットチュウ福島善成(47歳)。5年前から柔術を始め、世界大会、ヨーロッパ大会で優勝している

「成田で搭乗した便がこれから離陸という瞬間にピタッと止まったんですよ。それからずっと動かなくて結局駐機場に戻った。それから3時間くらい機外に出られなかった。最後には『この飛行機は飛びません。けれど、お客様はすでに出国しているので、もう一度荷物を持って再入国してください、と」

 結局、2時間ほど再入国の列に並んだ。

「代わりの飛行機をどうするか。そもそも試合には間に合うのか……」

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 不安が募るばかりだったが、運良く他の航空会社の便に乗ることができた。

「ドバイ経由でした。俺は真冬を想定してダウンジャケットだったけど、ドバイに到着したらみんな半袖。ダウンを着ていたのは俺だけだったので、『マジかよ?』と思いましたよ」

 ドバイからリスボンまでは4時間ほどのフライトだと想定していたが、時差を計算違いしており、結局8時間も搭乗することになった。

「長時間エコノミー席に座っていたので、もう首と肩はガチガチ。しかも飛行機に合計34時間も乗っていたので、自分の体重が何kgかもわからない。階級はライト級でちょうど74kgくらいなんですけど、到着したら翌日には試合だったので、『ヤバい』と思って機内食には手をつけられなかったですね」

 リスボンに到着して体重計に乗ってみると、体重は72kgまで落ちていた。

「契約体重のマイナス2kg。もう本当にフラフラでした」

 コンディションは決して万全ではなかったが、それでも勝ち抜くのが福島の真骨頂だ。初戦、2回戦ともにストレートアームロックで一本勝ちを収めると、5試合目となった決勝ではクロスチョーク(十字絞め)でタップを奪い、ヨーロッパチャンピオンに就いた。

「決勝が終わったら、首や肩の血行が良くなって、ガチガチではなくなっていましたね」

「50歳までに黒帯を…」

 直近の目標は来年度柔術の本場ブラジルで開催されるブラジレーロことブラジル柔術選手権に出場して優勝することだ。

「この大会がグレードでいうと4つ星で一番すごいんじゃないかと思っている。アメリカへのビザを申請できなかったり、航空券を買えないような地元の強い人たちがあまた出場するでしょうからね」

 現在47歳の福島の帯の色は紫だが、50歳までには黒帯をとりたいと願う。

「(42歳でやり始めて)紫に昇級したのも最速だと思います。柔道とも異なり、柔術で黒帯をとるのはかなり大変ですからね。その頃にはもう弱くなっているんじゃないですか(笑)」

 柔術界にも名を残す異色のお笑いタレントは、少なくとも50歳までは現役を続けようと心に決めている。

<前編《33kg減》編から続く>

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