熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
「ナガトモは日本の宝だ」ブラジル人記者が長友佑都38歳を“W杯有力”と予想するワケ「ミトマとクボが超トップになるのと…」躍進への2条件もズバリ
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沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byKiichi Matsumoto
posted2025/03/29 17:12

W杯アジア予選でメンバー入りし続けた長友佑都。彼の存在は大きいとブラジル人記者も見ている
――日本代表は伝統的に南米勢が苦手。アルゼンチンと1勝6敗、ウルグアイと2勝4分4敗、コロンビアと1勝1分4敗で、ブラジルとは13戦して2分11敗。得点6、失点36で一度も勝っていない。ただし、今のブラジルは悲惨な状態にある(2026年W杯南米予選で、18節中14節を終えて4位。3月の南米予選第14節で、アルゼンチンに1-4の惨敗を喫した)。今のブラジルと対戦したら勝てるのでは?
「その通り。でも、ブラジルが日本と対戦するのを嫌がるかもしれない(笑)」
――日本は、今後もできるだけ勝ってFIFAランキングを上げ、W杯でより有利なグループに入りたいところです。
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「理屈としてはそうなんだけど、2022年大会で日本はポット3だったにもかかわらず、ポット1のスペインとポット2のドイツに勝ち、ポット4のコスタリカに負けた。より上のポットに入るのも大事だけど、試合の結果を過度に心配せず、必要なテストはしっかりやるべきだろうね」
ミトマとクボが超一流に近付いてくれたら
――ドイツの移籍マーケット専門サイト「Transfermarkt」によれば、各国代表の選手の価値の合計で最も高いのがイングランドの12.6億ユーロ(約2041億円)で、2位がスペインとフランスの11.6億ユーロ(約1879億円)。以下、ブラジル、ポルトガル、イタリア、オランダ、アルゼンチン、ドイツの順で、日本は2.9億ユーロ(約470億円)。アジアでは最高ですが、世界では22位です。個人では、FWビニシウス(ブラジル)とFWアーリング・ハーランド(ノルウェー)が2億ユーロ(約324億円)で世界最高。日本人では4500万ユーロ(約72億9000万円)の三笘が最高で、久保が4000万ユーロ(約64億8000万円)です。
「これらの数字は目安に過ぎないと思うけど、日本人選手の個人能力が年々、上がっており、世界的な評価も高まっているのは間違いない。それでも、まだバロンドールを争うようなスーパーな選手はいない。三笘や久保が世界のトップ・オブ・トップにさらに近付いてくれたら、日本にとって非常に心強い。また、傑出したストライカーが出現してほしい」
――日本はアジア最終予選のこれまでの8試合で24点奪っているが、得点者の内訳は相手のオウンゴールを除いて13人もいる。
「多くの選手が点を取れるのは、とてもいいこと。でも、やはり突出した点取り屋が欲しいね。引き続き、選手一人ひとりが所属クラブでさらに能力を高め、最高のコンディションでW杯を迎えてほしい」
チアゴ記者は、サムライブルーのW杯出場登録メンバーについて独自の見解を示し、W杯開幕までに日本が取り組むべき課題についても自らの考えを披露してくれた。〈第1回からつづく〉

