センバツの“静かな異変”花巻東はなぜ「地元主義」をやめたのか…菊池雄星・大谷翔平に憧れる選手が「集まる」魅力ある高校のあり方とは 

　エナジックの選手たちが展開した野球はアグレッシブで、高校野球の印象を変えうるものであった。通信制の高校として始まった（現在は野球部員は全員全日制）ことから批判する指導者もいると聞くが、楽しそうにプレーする彼らの姿は高校野球に新しい風を吹かせるに違いない。

「素直で野球が好き、一生懸命頑張る。一生懸命頑張れば道は開けるので、そういう思いがある野球少年に来てほしい」と神谷監督は言う。

花巻東が見据える「目指すべき道」とは

　いよいよ、高校野球も新たなフェーズに向かうのではないか。昨今の強豪私学のあり方を見ていると、そんな空気さえ感じる。花巻東の佐々木洋監督は、今時の高校生の思考は情報化時代にあわせて変化しているとした上で、目指すべき道をこう語る。

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「今までは問い合わせが来ても県外選手に関してはオープンスクールもお断りしていましたが、今は問い合わせも多くなりました。ただ、監督としては魅力ある野球をしていかないといけないと思っています。

　選手の考え方もかなり変わってきています。アメリカの施設を見たら規模が異なっていて、とてもびっくりするぐらい。そこに魅力を感じる選手は多いと思います。このまま行くと日本の高校には入ってこなくなるのかなと。これは野球選手の話だけではなくて、バスケットや陸上でもすでにアメリカに行く選手が増えています。

　そういう意味では日本の高校も魅力ある学校というか、野球をしないといけない。それこそ、海外から入ってきたいと思うようなチームです。勝つために海外の選手を取るということではなく、学校教育を含めた魅力を見せていかないと、日本からどんどん海を渡っていく。向こうからも集まってくるような、そういう野球部にしたいなというのはすごく思っています」

「集める」ではなく「集まる」

　高校野球の強豪が目指す新たな世界は「集める」ではなく「集まる」。香川県では公立校でも県外からの選手を受け入れる制度があり、高松商には全国から希望者がいると聞く。魅力ある“クラブ”こそが生き残っていく時代になる。

〈全2回の2回目／はじめから読む〉

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“低反発バット時代”に「フルスイング野球」へ大転換!? 花巻東が「守り勝つ野球」を捨てたワケ「メジャーで日本人がHR王を獲る時代ですから」

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