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「“故障しない限り”の大前提で」ドジャース山本由伸・佐々木朗希の成績予想は“エース級”…大谷翔平と「3人で33勝450奪三振」も現実味
posted2025/03/18 11:02

ドジャースの山本由伸と佐々木朗希。投手復帰予定の大谷翔平とともに2025年の成績を予想すると……?
text by

広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Nanae Suzuki
「故障しない限り」という大前提での予想
ドジャースの山本由伸と佐々木朗希の今季についても予想をしていこう。2人については「大前提」がある。それは「故障をしない限り」という点だ。
2024年末、MLBは投手の故障に関する報告書を公表した。この年、投手の負傷者リスト入りの日数は2005年から2.36倍に増えたが、選手や球団幹部、医師ら200人以上からの聞き取りによると、この原因は、練習での重いボールの使用、ブルペンでの投球練習の強度が上がったこと、つまりブルペンで速い球を投げていることが影響した可能性があるという。
端的に言えば「投球強度が高い球を投げる投手は、故障のリスクが高い」となる。しかしながら今、NPBからMLBに移籍して成績を残す投手は間違いなく「投球強度が高い」投手である。
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今はともにソフトバンクの有原航平と上沢直之は、NPBでは一線級の成績を残す先発投手だったが、球速は最速で150km/hほど。打たせて取るタイプだったが、MLBでは通用しなかった。
一方、佐々木朗希は160km/hを優に超す剛速球がウリ。また山本由伸もNPB最終年には159km/hを記録した。剛速球をベースに様々な球種を投げて、三振を奪う。いわゆる「パワーピッチャー」である。一方でパワーピッチャーが「故障のリスクが高い」のは、念頭に置いておくべきか。
千葉ロッテの吉井理人監督は、教え子の佐々木についてラジオで「故障は多分、するとは思うんですけども」と語っていたことがある。山本由伸も佐々木朗希も故障→手術(トミー・ジョン手術など)をするかもしれないリスクを抱えているのは確かだ。
昨季ドジャース先発陣で規定投球回はゼロだった
それを念頭に置きつつ、今シーズン故障しない前提で成績予想を試みよう。
まず、ドジャースの公式サイトのデプスチャート(出場選手予想)では、ローテーション投手は以下の並びになっている。カッコ内は昨年の成績。
ブレーク・スネル/左腕32歳(5勝3敗104回、率3.12)
山本由伸/右腕26歳(7勝2敗90回、率3.00)
タイラー・グラスノー/右腕31歳(9勝6敗134回、率3.49)
大谷翔平/右腕30歳(昨年登板なし)
佐々木朗希/右腕23歳(10勝5敗111回、率2.35※NPB)
トニー・ゴンスリン/右腕30歳(昨年登板なし)
クレイトン・カーショー/左腕36歳(2勝2敗30回、率4.50)
ダスティン・メイ/右腕27歳(昨年登板なし)
ランドン・ナック/右腕27歳(3勝5敗69回、率3.65)