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「“故障しない限り”の大前提で」ドジャース山本由伸・佐々木朗希の成績予想は“エース級”…大谷翔平と「3人で33勝450奪三振」も現実味
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広尾晃Kou Hiroo
photograph byNanae Suzuki
posted2025/03/18 11:02

ドジャースの山本由伸と佐々木朗希。投手復帰予定の大谷翔平とともに2025年の成績を予想すると……?
昨年の世界一球団で、年俸総額でもトップクラスの大軍団ドジャースだが、今季想定されるローテーション投手に前年1人も「規定投球回数=162回」をクリアした投手がいない(サイ・ヤング賞2回のスネルも然り)。これは、昨年のドジャースの先発のやりくりがいかに厳しかったか、という証明だ。
順を追うと、山本由伸が6月に上腕三頭筋の怪我でIL(負傷者リスト)入り。レジェンドのカーショーは7月にようやく登板したものの、7試合の登板にとどまった。グラスノーも8月にリタイアし、3年目にして11勝を挙げたストーンは、昨年10月に肩の手術をして戦線離脱した。ドジャースの投手はパワーピッチャーがそろっているぶんだけ、故障者が多いということになるだろう。
世界一になったが、昨年の「ドジャース投手陣」は、お世辞にも成功したとは言えない。シーズン後半にはローテは崩壊。強力打線の援護の下、やりくりで切り抜けた。その中で今季のドジャースは「大エース」を中心にローテを回すのではなく、負担を分散させて戦う形になるだろう。ローテーションは、6人程度で回すのではないか。
大谷、カーショーは不透明…由伸はエースの1人
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大谷翔平の投手復帰時期が不透明で、ベテランのカーショーも計算しづらいことを考えると、当初はスネル、山本、グラスノー、佐々木、ゴンスリン、メイまたはナックでローテを組む。その上で大谷、カーショウの復活を待つ、ということになるのではないか。
その中で山本由伸は「右のエース」と言ってよい。ポストシーズンのパドレス戦、ヤンキース戦での好投によって信頼感はぐっと高まった。だからと言って短い登板間隔で投げたり、長い投球回を投げたりすることはないと考える。162試合を6人のローテで回すとして、山本の今季の登板数は最大で「27」、平均イニング数は6回を少し越えるくらいだろうか。
球種で見ると山本の速球は、かなり捉えられているので被本塁打は増える。フォーク(スプリット)、カーブ、さらにNPBではあまり投げなかったスライダーを武器にすることで、投球の幅は広がるだろう。
由伸の予想は14勝、215奪三振…では朗希は?
これらの要素を加味して、山本由伸の成績を予想しよう。
【2024年】
18登板7勝2敗90回7被本塁打22与四球105奪三振 防御率3.00
【2025年】予想
27登板14勝6敗165回22被本塁打40与四球215奪三振 防御率3.30
規定投球回数に到達し、防御率3.30。昨年の基準なら7位に相当する。奪三振215は4位、サイ・ヤング賞はやや難しいが、その候補にはエントリーされるだろう。山本はNPB時代、速球で押すシーンも見られたが、球種を使って抑えたり、打たせて取る投球も考えるべきか。
佐々木朗希はオープン戦で圧倒的な投球を見せた。