オリックス“ドラ2の153キロ右腕”が思わず「体、やべえ…」と唸った選手の正体は？ “同級生の超本格派”に「あんなストレートは初めて見ました」 

　セガサミーの打者が「あんなストレートは社会人では見たことがない」と目を丸くしながら球場を後にしていたが、そのマウンドを球場横で見つめていた寺西も強い衝撃を覚えた。

「もう、凄いの一言でした。あんなストレートは初めて見ました」

　山下のピッチングに目を奪われ、率直な感想を静かに述べた。

ADVERTISEMENT

　それでも今はまず土台をしっかり固めることが最優先。ライバルの背中を追うのはそれからだと自分に言い聞かせてもいる。

「舜平大を見ていたら体つきが球の力に繋がっていることが良く分かります。同じとまでは言わないですが、いずれは自分もそれくらい力強いボールを投げられるようになりたいです」

大卒2位指名…即戦力の期待はあるが？

　大卒で2位指名。即戦力としての期待はもちろんあるが、チームにはエースの宮城大弥や東晃平をはじめ、実績のある投手陣が層をなしている。

「無理はせずに、トレーニングはこれからもしっかり続けたいです。身体を作って、できたら早い時期に一軍に上がれたらいいですが……今年はまず2勝することが目標です」

キャンプで指導を受ける寺西。「同級生のライバル」山下にどこまで近づけるか　©Fumi Sawai

　敢えて2勝としているのは、まず1勝は大前提。でも1勝だけで終わらず、もう1勝は必ずする、という意味なのだという。

　一昨年のWBCを経験し、すでにMLBから注目されている高橋宏斗（中日）や、昨秋のドラフトで4球団が競合した中日1位・金丸夢斗らも含めれば、“舜平大世代”はいずれNPBをけん引していくであろう能力の高い投手がひしめく。

　将来性豊かな寺西もその中に加わる要素は十分にある。

「自分も舜平大くらい、誰からも信頼されるピッチャーになりたいです」

　その言葉には、ライバルと共闘し成長していくという強い覚悟もにじんでいた。