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オリックス“ドラ2の153キロ右腕”が思わず「体、やべえ…」と唸った選手の正体は? “同級生の超本格派”に「あんなストレートは初めて見ました」
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沢井史Fumi Sawai
photograph byFumi Sawai
posted2025/03/12 06:00
日体大からドラフト2位指名でオリックスに入団した寺西成騎。実は同球団の同い年にはあの「超本格派右腕」が…
寺西のクールな表情が、そう言って緩んだ。
さらにオリックスにいる大きな存在が、寺西のモチベーションを上げている。一昨年に9勝を挙げ、オリックスのエース右腕とされている同い年の山下舜平大だ。
1月に入寮した直後、実は直接対面する機会をもらっていた。
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「自分の担当のスカウトの方が、自分と同級生ということで対面する時間を作ってくださったんです。舞洲の練習場だったんですけれど、舜平大の姿を最初に見た瞬間『体、やべぇ』って思いました(苦笑)」
身長186センチの寺西のさらに上を行く190センチ、100キロの分厚い体格は、想像以上の衝撃だった。だが、余計な緊張感はなく、互いにすぐに打ち解けたのだという。
「向こうも(星稜高校時代の甲子園を見て)自分のことを知っていたらしいです。話してみたら……本当にすごくいいやつで。それからは話しかけるのは自分の方からが多いですね。特にピッチングのことは僕が質問攻めにしています」
ライバルは「本当に野球にしか興味がない」
新人合同自主トレの合間に室内練習場で一緒になることもあり、普段から意識していることや、フォームに関する話など細かい質問を重ねた。そのたびに真摯に答えてくれる山下の飾らない人柄に、寺西は強く心を打たれた。
「実際に話して感じたのは、本当に野球にしか興味がない、みたいな感じで。練習も人一倍やっているんです」
身体能力に頼らず、練習でも常にストイックな姿勢を見せる山下の存在が、寺西の闘争心をさらに掻き立てている。
キャンプ終盤の2月20日のセガサミーとの練習試合で、2番手でマウンドに上がった山下は、2回を5奪三振無安打と相手打線を完璧に封じ込んだ。ストレートは最速155キロをマークした。

