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「福岡第一に進学していなければ、今日の河村勇輝は存在しない?」河村勇輝の恩師が明かす高校入学秘話「うちに来る気配はないなって…」
text by

青木美帆Miho Awokie
photograph byAFLO
posted2025/03/12 17:00
福岡第一で「高校ナンバー1ガード」に君臨した河村勇輝
しかし、170cmに満たない点取り屋に全国の強豪校からの誘いはなく、彼にオファーを出したのは山口県内の関係者からプッシュを受け、並里成(ファイティングイーグルス名古屋)ら小柄なガードで何度も勝ってきた井手口だけだった。
「あの頃の強豪校のリクルートでは、無名の中学からポンと出てきたような小さい選手は、ほぼほぼ声がかからなかった。小さいと大学が取ってくれないからってね」
井手口は述懐する。
「うちに来る気配はないなって」
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河村は休日を使って福岡第一の練習に参加するようになった。しかし、井手口は河村は入学しないと思っていた。
「長年やっていると肌感覚でわかるんですよ。うちに来る気配はないなって。本人に聞いたわけじゃないけど練習場所を求めて来てるだけなのかなって」
学年トップの成績。両親ともに教員という家庭環境。全国屈指の練習量で知られ、競争が激しく、おのずとバスケ第一優先になる福岡第一にわざわざ来る理由はないと言えばない。ほどなく姿を見なくなったが、井手口はあまり気にしなかった。
2カ月ほど経った12月のある日、再び「練習に行きたい」と連絡が来た。
(入る気もないのにまた来るのか……)
そう思いながら受け入れると、練習を終えた河村は頭を下げて言った。
「これからお世話になります」
「え、何て?」
井手口は思わず聞き返したという。
実は、河村は進路に悩んでいた。
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