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今季26ゴールも日本代表FW序列でほぼ控え「なぜダイゼンは…ぜひモリヤス監督に理由を」バイエルンが戦慄した前田大然…英国人記者は不思議がる
posted2025/03/06 17:02

前田大然は、日本代表だと試合途中から出場するケースが多い。この序列について、セルティックを追う英国人記者はどのように考えているか
text by

アレックス・オヘンリーAlex O’Henley
photograph by
Kiichi Matsumoto
バイエルンを慌てさせた反撃の一撃
チャンピオンズリーグ(CL)プレーオフ、セルティックはバイエルンとのホームでの第1戦を迎えた。前線中央にはグループフェーズ第8節のアストンビラ戦でセンターフォワードを務めて2得点を挙げたアダム・アイダーが入り、前田大然はいつもの左ウイングで先発した。
序盤から互角と言っていい内容だったが、45分と49分に失点。57分にボックス内でアルネ・エンゲルスの足をダヨ・ウパメカノが踏んだ場面で、VAR後にPKが認められなかった時は、対戦の行方が決まりそうに思えた。
しかし残り25分に指揮官が交代策を講じるとともに、前田を中央に回すと、バイエルンの百戦錬磨の守備者たちが明らかに慌て始める。
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73分にはラファエル・ゲレイロのバックパスにいち早く反応し、GKマヌエル・ノイアーを外側にかわして角度のないところからシュートを放つも、惜しくも枠を外れた。その6分後にはCKから混戦が生まれ、浮いたボールをヤン・ヒョンジュンがシュート気味に折り返すと、前田が素早く頭を合わせて1点を返した。
「その役割でマエダの右に出る者はいない」
翌週、希望を胸にミュンヘンに乗り込んだセルティックは、前線中央に前田を配して決戦に臨んだ。ホームチームの攻勢を凌いでスコアレスで迎えた後半、またしても前田のスピードとスタミナ、予測力が違いを生む。63分、アイダーのパスに反応した前田は一度、ヨシップ・スタニシッチにカットされるも、そのままボールを追い続けるとゲレイロより先にボールに触れ、ニコラス・クーンのゴールに繋げた。これで2試合合計2-2の同点となり、バイエルンを追い詰めたが、最終盤にアルフォンソ・デイビスに決勝点を奪われてしまった。
多くの人々がセルティックのチャンピオンズリーグ史上最高のアウェーゲームのひとつと考える、悔やんでも悔やみきれない結果。それをもたらした最大の功労者は、まぎれもなく前田だった。