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今季26ゴールも日本代表FW序列でほぼ控え「なぜダイゼンは…ぜひモリヤス監督に理由を」バイエルンが戦慄した前田大然…英国人記者は不思議がる
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アレックス・オヘンリーAlex O’Henley
photograph byKiichi Matsumoto
posted2025/03/06 17:02

前田大然は、日本代表だと試合途中から出場するケースが多い。この序列について、セルティックを追う英国人記者はどのように考えているか
「(好ゲームの要素の)すべては前線から始まった」試合後の会見でロジャース監督は語った。
「その役割において、ダイゼン・マエダの右に出る者はいないと思う」
バイエルンの誰もが前田の数字に目を見開いていた
またバイエルンのCBエリック・ダイアーはトッテナム・ホットスパー時代の同僚、キャメロン・カーター=ヴィッカースに、「バイエルンの更衣室では、前田の話で持ちきりだった」と伝えたという。カーター=ヴィッカースは次のように明かす。
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「彼らは第1戦の後、全員で走力やスタミナのスタッツを見たらしいのだが、バイエルンの誰もが前田の群を抜く数字に目を見開いていたようだ。うちもスプリントやハイスピードでの走行距離などをチェックするので、僕としてはそう聞いても驚かなかった。彼の動きと仕事量は半端ないからね。相手の後ろから駆け始めても球に触れるし、常に準備ができていて、走り出したら瞬時にトップスピードに入るんだ。敵にすると、実に捕まえにくい。脅威だよ」
2024年の日本代表で先発は2回だけだが
このように欧州のトップレベルの選手や監督から称賛されている前田だが、日本代表の森保一監督にはまだ完全に信頼されていないようだ。昨年に行われた日本代表戦の16試合のうち、先発の機会は2回だけ。またこの指揮官は2年前、古橋と旗手怜央を選外とした理由を、「(スコットランド)リーグのレベル」と言ったことでも知られている。
スコティッシュ・プレミアシップに対するこの表現は実際、古橋がレンヌへ移籍するきっかけになったと捉えられている。ただしセルティックであれほど大活躍し、家族の一員のように愛されていたキョウゴは今、フランス・リーグアンでベンチを温めている。新天地に渡ってからピッチ上でボールを触った回数は、たったの12だ。
逆にその同胞の穴を埋めるべく、前田はセルティックでますます勢いに乗っているように見える。前線中央でも見事な活躍を披露するようになり、間違いなく、キャリアの全盛期を迎えている。ラブリーな家族とグラスゴーでの生活を楽しみ、サポーターからも大いなる愛を享受している。
今季ここまでの前田は10点満点中9点だけに
賢明な指揮官なら──洋の東西を問わず──状態の良い選手を先発に起用するものだ。