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マスクの窓から野球を見ればBACK NUMBER
高校野球の名門校監督が規定違反で無期謹慎…「有望な中学生を探すことにエネルギーを割かれて…」激化する“勧誘合戦”に疲弊する現場のホンネ
text by

安倍昌彦Masahiko Abe
photograph byHideki Sugiyama
posted2025/02/25 06:01
甲子園という舞台の人気が過熱する中、有望な中学生を巡る青田買いを防ぐにはどうすればよいのだろうか? ※写真はイメージ
「有望な中学生を探し、誘うことに時間とエネルギーを割かれてグラウンドに立つ時間が減ってしまう」
以前、そう嘆いていた高校指導者の方がおられたが、プレゼンできる都道府県の数を限定したり、同じような時期にわざと重なるように行うことで、高校指導者たちがグラウンドに立てる時間を増やしてあげることもできよう。
高校側が中学選手を知る機会も、そりゃあ大切かもしれない。だが、それ以上に大切なのは、中学選手の高校野球や高校チームを知ろうとする努力のほうであろう。
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中学選手が自ら高校野球と高校チームを知ろうとし、興味を抱いた高校があればちょっと遠くても、自ら試合や練習に足を運んで、自ら感じ、考え、確かめて決める。
自分の目で見て、考えて、自分で決めて、この高校に来ました。
これ以上に健全なモチベーションが、ほかにあろうか。選手たちが、前向きなメンタルで高校野球を続けていく上で、これほどに頼もしい「動機」は他にない。
どうすれば中学生が能動的に進路を選べるか
高校側からのアプローチによって決まる進路の多くは、残念ながら「大人が決めた進路」であることが多い。高校野球生活がなかなか思い通りにいかなくなった時、人のせいにして逃げたくなるのは、その多くがこのパターンではないだろうか。
高野連主催の「プレゼン集会」。
粗けずりで、未完成で、難点だらけ、アラだらけのアイディアと承知で挙げてみた。この手の提言は、読み手の方たちにボコボコに叩かれるのが昨今のお約束。だが、私はその「ボコボコ」を期待している。
コテンパンに叩かれる中で、もしかしたらとんでもない妙案が発信されるかもしれない。それが新しく、健康的で合理的な中学生と高校球界との付き合い方を追求する突破口になってくれれば良い。そのための、文字通りの「叩き台」になれたら本望だ。

