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「人生やり直せるなら、高卒でアメリカに行きたかった」数奇な野球人生を送った元DeNAドラ1・北方悠誠がドジャースで見た“ある光景”とは
text by

氏原英明Hideaki Ujihara
photograph byTomo San/Yujo Kitagata
posted2025/02/22 11:17
短くも充実した時間を過ごしたドジャース時代に、北方は何を得てきたのだろうか
日本とは違う、その場にいることだけで満足しない選手たちがいる。メジャーリーグの舞台がどの国の選手にとっても憧れであることに変わりはないが、選手たちが成長するための環境づくりという面では、日本はもっと努力しないといけないのかもしれない。
若い世代がアメリカに惹きつけられるわけ
自由の国と言われるアメリカの方が育成に関しては計画的で、一方、日本にはたくさんのしきたりやルールのもとに、守らなければいけない行動規範がある。その時間が窮屈に感じるからこそ、もっと自由な国を求めてしまうというのが、若い世代の思考に起きていることではないのか。
「日本とは違う、満足しない選手たちがいっぱいいる中で野球ができたので、それは僕がその後、野球を続けるのにも役立ちましたし、今、子どもたちに野球を教えてるんですけど、そこでも本当に生きることかなと思います。
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僕が教えているのは、本当に取り組む姿勢のことだけです。そのためには、野球ができることへの感謝から。感謝することがわかれば、取り組みが変わるのかなと思っています」
メジャーのキャンプが、日本より10日ほど遅れて始まった。日本人選手たちが楽しそうにプレーしている様子を見るたびに思う。MLBが憧れの最高峰の舞台であるのと同じくらいに、野球をする環境として彼我に大きな差があるのではないか、と。
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