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「人生やり直せるなら、高卒でアメリカに行きたかった」数奇な野球人生を送った元DeNAドラ1・北方悠誠がドジャースで見た“ある光景”とは
text by

氏原英明Hideaki Ujihara
photograph byTomo San/Yujo Kitagata
posted2025/02/22 11:17
短くも充実した時間を過ごしたドジャース時代に、北方は何を得てきたのだろうか
「部門別にトレーナーがいるんです。コンディショニングトレーナーだったり、柔道整復師、アスレチックトレーナーとか。登板する時には体の構造を見るトレーナー、治療をするトレーナー、ジムに行けば、そこを担当するトレーナーさんがいて、全てみんなに共有されている。
僕らは終わったら携帯でこなした練習項目にチェックを入れていくんですけど、やるべきことをやってなかったら『今日はトレーニングの日だよ』って言われて。管理はすごくされているんです」
アメリカのほうがむしろ計画的
意外と計画的なのはアメリカの方なのだが、それでも窮屈な感じがしないのは、それ以上に拘束時間が短いからだろう。自由の国アメリカの方が練習は緻密で、しかし、拘束時間は短時間で、だからこそ、その空いた時間を自分の練習のために使おうという選手も生まれてくる。北方が見たベネズエラの選手はそういう環境にいてこそ出てきたのかもしれない。
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「一人一人がもう、すごく目的を持ってやっていました。誰の目も気にせずにやっていて。僕が日本にいた時は、特に上手く投げられなかったときがそうでしたけど、周りの人を気にしてしまうところがありました。
でも結局、投げるのは自分ですし、結果も自分のせいで出てくるわけじゃないですか。アメリカにいる選手たちは、周りを見てなかったんです。かといって、競争もすごいから気を抜いている暇もないですし。その環境に行って、よかったと思います」

