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「人生やり直せるなら、高卒でアメリカに行きたかった」数奇な野球人生を送った元DeNAドラ1・北方悠誠がドジャースで見た“ある光景”とは

posted2025/02/22 11:17

 
「人生やり直せるなら、高卒でアメリカに行きたかった」数奇な野球人生を送った元DeNAドラ1・北方悠誠がドジャースで見た“ある光景”とは<Number Web> photograph by Tomo San/Yujo Kitagata

短くも充実した時間を過ごしたドジャース時代に、北方は何を得てきたのだろうか

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氏原英明

氏原英明Hideaki Ujihara

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Tomo San/Yujo Kitagata

DeNAベイスターズ第1期のドラフト1位だったが、一軍で1球も投げることなくプロを去った剛球投手・北方悠誠(ゆうじょう)。アメリカに渡ってドジャースの育成システムを経験した彼が見た、日米野球界の「違い」とは。NumberWeb独占インタビュー!〈全3回の3回目/はじめから読む

 昨秋のドラフト上位候補にも挙げられていた桐朋高校の森井翔太郎が、先日MLBアスレチックスとマイナー契約を結んだ。

 かつて、菊池雄星(現エンゼルス)や大谷翔平(現ドジャース)が高卒からメジャー球団を志望した際には大騒ぎになったものだったが、今や日本人選手によるメジャー挑戦はプロ・アマを問わず、現実的な目標になっている。

 一昨年は智弁和歌山の武元一輝、昨年は花巻東の佐々木麟太郎がそれぞれアメリカの大学に進学。若いうちにアメリカの地に降り立つ選手は年々、増えている。

人生をやり直せるなら…

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 3人の高校トップクラスの選手がNPBを経ずにアメリカに渡ったことに危機感を覚えるプロ野球スカウトもいるのだが、もはやこの流れが避けられない状況になっているというのは、偽らざる事実だろう。

「もう一度、人生をやり直せるなら、高卒からアメリカに行きたいですね」

 アメリカのマイナーを経験し、現役引退後は中学生の指導にあたっている北方悠誠(元ベイスターズ、ドジャースほか)は、昨今の野球少年のメジャー志向が強くなっているという前提のもとで、自身も同じ立場なら、そうしたかったと語る。

ドジャースは組織としてしっかり見てくれた

「ドジャースに行って思ったのは、組織としてしっかり一人一人を見てくれるということでした。たくさんのトレーナーがそれぞれ見られる範囲の選手を見るという形で、手が足りないことにはなっていませんでした。コーチの方もたくさんいました。

 昔はハンバーガーリーグで過酷だとか言われましたけど、今はそういう環境でもない。設備も整っていてしっかり練習できるので、そういう環境に18歳で行けたら本当に楽しいだろうなと思いました」

 北方には、ドジャースのマイナーで目にした忘れられない光景があるという。

【次ページ】 17歳の選手のハングリーな姿勢

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