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プロレス写真記者の眼BACK NUMBER
デビュー16日でベルト奪取…「誹謗中傷ありますよ」山岡聖怜18歳が語る“現役高校生レスラーのリアル”「プロレスは勇気をくれた仕事」《特別グラビア》
posted2025/02/15 18:01

高橋奈七永とのタッグでマリーゴールド・ツインスター王座に輝いた山岡聖怜(18歳)。デビューわずか16日での快挙だった
text by

原悦生Essei Hara
photograph by
Essei Hara
1月19日、後楽園ホール。18歳の山岡聖怜は46歳の高橋奈七永と組み、ボジラ、タンク組と戦った。ツインスターのタッグ王座への初チャレンジだった。
デビューからわずか16日でタッグ王者に
相手はどちらも大きく、30キロ近い体重差があった。試合はいきなりドイツのパワーファイターたちとの場外乱闘で始まった。山岡はボジラにイス席に吹っ飛ばされた。
痛みが闘争心に火をつける。飛びついてボジラをスリーパーホールドで捕え、タンクも担ぎ上げた。スピアータックルを突き刺し、高橋のダイブアタック冷蔵庫爆弾の後、タンクを強引にジャーマンスープレックスに捕えてフォールした。デビューからわずか16日目の快挙だった。5月24日に引退してしまう高橋という大ベテランの存在は大きかった。
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「お母さん」と山岡はマイクで高橋を呼んだ。山岡にはやりたいことがあった。日の丸を渡すと、山岡は高橋を担ぎ上げた。オリンピックのレスリング会場で金メダリストがよくやるセレブレーションだ。
「日の丸は前日に用意しました。勝てたら、日の丸いいなあと思って。レスリングで叶えることができなかったから、プロレスでやってみよう、と。(想像とは)違う形なんですけれど、待っていた瞬間でした。あの日のタッグはすごく緊張しちゃって、大丈夫かなって。でも奈七永さんが隣だったから、安心。パッションで頑張れた。相手もでっかいし、初めての場外。ほんと痛くて、デビュー戦より痛くて、でも、なんかこういうプロレスもいいなあって思っちゃって。こっちの方が好きかもしれないです」
山岡は初めてのベルトを巻くことができた。
「奈七永さんが引退する前にベルトを巻いてほしくて、親孝行できてよかった。(ベルトの)実感がわかなくて。本当に私でいいのかなって思っちゃうけれど、巻いたからにはこのベルトの価値を上げて、突き進んでいきます。パッションを持ちながら、マリーゴールドを大きくできる選手、プロレスを広められる選手になりたい」