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「き、キツネ耳にラジオ体操??」藤井聡太王将が“勝者の記念撮影”…「負けても西山朋佳さんの気品が」観る将マンガ家が描くエモい将棋界 

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千田純生

千田純生JUNSEI CHIDA

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photograph byNanae Suzuki/Junsei Chida

posted2025/02/02 06:00

「き、キツネ耳にラジオ体操??」藤井聡太王将が“勝者の記念撮影”…「負けても西山朋佳さんの気品が」観る将マンガ家が描くエモい将棋界<Number Web> photograph by Nanae Suzuki/Junsei Chida

1月の将棋ハイライト。イラストは関連記事などからご覧になれます!

 伊藤匠叡王への挑戦権を懸けた本戦トーナメント初戦、前叡王として増田康宏八段(2月からは棋王戦での激突にも注目です)戦に勝利しました。東京の将棋会館には僕のクラファンのネームプレートがあるはずで……近いうちに絶対観に行かないと。

 その一方で、15歳にして史上最年少の棋戦優勝を果たすなど、藤井七冠が計4度にわたって栄光を手にしている朝日杯将棋オープン戦トーナメントでは2回戦敗退! “忍者”の異名をとる服部慎一郎六段の指し回しの前に屈したわけですが……逆の立場から見れば、将棋界の天下を治める藤井七冠に対して、一撃を食らわせようとの思いを棋士誰もが持っている。服部六段の金星にはその思いを感じ取りました。

初のA級昇級・近藤新八段の“珍しい昇段記録”とは

 年間通して開催される順位戦も、佳境を迎えてきました。今回の注目トピックは、早くも来期のA級昇級が近藤誠也・新八段(8勝2敗、1月31日時点)と糸谷哲郎八段(同9勝2敗)に決まったことです。

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 とくに「A級昇級、ついに来ましたね!」と僕も編集担当さんも声を合わせたのが、近藤八段です。王将戦挑戦者リーグをはじめ各種棋戦でその名を聞かない月はない印象。2023年度こそ自身初の負け越しを喫していますが、プロデビューした2015年度から2023年度までの公式戦は260勝134敗、勝率にして.6599と、実力派棋士であることを数字が雄弁に示しています。

 ちなみに近藤八段はこれまで四段から八段までの昇段を「順位戦昇級」によって達成しており、これがとても珍しいケースとのこと。名人戦と順位戦の規定によると九段昇段は「名人位獲得」となるわけですが、果たして……。

 昇段で言えば、ルックスで人気急上昇中の斎藤明日斗・新六段も来期B級2組昇級を決めました。近年勢いをさらに強めている印象を持ちますが……やはりABEMAトーナメント(アベトナ)で軍曹こと永瀬九段に鍛えられた効果なんでしょうか?

 順位戦で言えば、忘れてはいけないのはA級です。

〈第83期順位戦A級:1月31日時点の成績〉
6勝2敗:佐藤天彦九段
5勝2敗:永瀬九段
5勝3敗:増田八段
4勝4敗:佐々木勇気八段、中村太地八段、千田翔太八段
3勝4敗:渡辺明九段
3勝5敗:豊島将之九段、菅井竜也八段
2勝6敗:稲葉陽八段

 藤井名人への挑戦権を手繰り寄せられるのは上位3人に絞られました。天彦九段が久々の名人戦登場か、永瀬九段もしくは増田八段が立て続けのvs藤井将棋となるのか。いずれの対局になっても見たい……嬉しい悩みです。

3)勇気先生に永瀬先生が…将棋界アレコレ

 公式戦以外の、将棋界のアレコレについても振り返りましょう。

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