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プロ野球亭日乗BACK NUMBER
「元旦も練習しました」DeNA復帰2年目の筒香嘉智が沖縄の自主トレで明かした打撃の感覚「日本シリーズ2日前に“パチンとハマる瞬間”があった」
text by

鷲田康Yasushi Washida
photograph byYasushi Washida
posted2025/01/31 17:00
DeNA復帰2年目を迎える筒香嘉智が、沖縄での自主トレで打撃の感覚について明かした
「日本シリーズの2日前の練習で急に感覚が出だして、パチンとハマる瞬間があったんです。それ以前にも骨折のリハビリ中に軽くバットを振れるようになってから、しっかり腰据えて練習ができたのも大きかったです。そのときにこっちの方向っていうのが見えた。で、それがなかなか、じゃあそれを表現できるかっていうと、すぐできなかったんですけど。しかも代打という形でチームに合流したので、なかなか感覚が繋がってこない。4打席あると、今の打席こうだったら次こうという風に繋がってくるんですけど。成績も出してなかったので、すぐに試合にも出られなかったですし、それで繋がらないなっていうのもありましたね」
――日本シリーズ直前にピタッとハマった感覚というのは?
「何ていうんですかね……お祭りとかで使うすごく大きな団扇があるじゃないですか。あれをウワーンって大きく扇いでいる感覚というんですかね。いい時はその感覚があって、反対方向も飛ぶんです。なんかそれが急に出てきまして……」
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――特に練習で工夫したこととかありましたか?
「1つやったのは2014年に初めてレギュラーをとった年に、構えてからグリップを2度引きというか、1回引いて、そこから打ちにいくっていう……いま宮崎さん(敏郎内野手)がやっている、あれのもうちょっとゆったりバージョンみたいな……。それを練習で取り入れたのがあります。あとは9月くらいから練習では試合用のメープル素材ではなく、柔らかいアッシュのバットを使って、やり出したら、だんだん、だんだん感じが出てきたと思います」
――その結果が日本シリーズでの活躍(22打数6安打、1本塁打、2二塁打でチーム2位の6打点)へと繋がっていった。今年はその感覚があって、じっくり腰を落ち着けてキャンプにも入れる。シーズンへの期待が高まりますね。
「僕個人の感覚的にも楽しみですね。なんか久しぶりに本当に楽しみなシーズン、自分が野球しているって感覚に久しぶりになっている。今までは何か自分じゃない人が野球やっている感じで、それを自分が支えているみたいな感じでしたから。やっと自分が打席に入るなっていう感覚なので、純粋にただ単純に楽しみです」
――まずはやっぱり競争に勝って、先発で試合に出られるようになることが最初のテーマ?
「どうっすかね。ずっと日本にいて、いまみたいにチーム内で立場が確定していなかったら、ネガティブな感覚になったイメージはあるかもしれませんね。でもアメリカに行って、なんかそれってもう普通に、当たり前のように、そこに対しての違和感はあんまりないんです。なので、去年、出られなくなった時も、いろんな人に聞かれたんですけど、『監督が使いたいと思わせられてない。そこを使いたいって思ってもらえるようになるしかない』と思っていました」
元旦も練習しました
――周囲は前のイメージがあるから、言葉は悪いけど「落ちた、落ちてしまった」という感じに見えたのでしょうけど、アメリカを経験して、特に最後の3年くらいはかなり厳しい中で競争して、そういう意味じゃサバイバーとして鍛えられた?

