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プロ野球亭日乗BACK NUMBER
「元旦も練習しました」DeNA復帰2年目の筒香嘉智が沖縄の自主トレで明かした打撃の感覚「日本シリーズ2日前に“パチンとハマる瞬間”があった」
posted2025/01/31 17:00

DeNA復帰2年目を迎える筒香嘉智が、沖縄での自主トレで打撃の感覚について明かした
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鷲田康Yasushi Washida
photograph by
Yasushi Washida
日本球界復帰後、状態が上がらなかった原因
――6年ぶりの日本でのキャンプイン。沖縄での自主トレも順調そうです。
「去年と一番違うのは、チームが決まっているということと、キャンプの環境、どういう場所でどういう施設があって、どういう練習ができるか。そのイメージがあることですね。自主トレ段階からすごくやりやすいですし、練習の組み立てもしやすい。去年とかは施設も、練習内容も何をどうやるのかも全くわからないままのキャンプインだったので、それはすごくプランを立てやすいと思います」
――昨年は開幕直後に日本球界、古巣のDeNAへの復帰が決まり、色々な問題を抱えながらのシーズンでした。ケガ(左肋骨骨折)もあり成績的(打率1割8分8厘、7本塁打、23打点)にも不本意な復帰1年目だったと思いますが、一方で最後の日本シリーズでは勝負強い、筒香選手らしさも見せてくれた。
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「去年日本に帰ってきてから自分の中でのプランでは7月くらいに、日本シリーズの時くらいまでバッティングの感覚が合う予定だったんです。でもそれまで成績も出ないし、ケガもあって、自分の中でプランが勝手に崩れていった。何より一番は三浦(大輔)監督にスタメンで使いたいと思わせられない、思えない選手だった、という認識でしたね」
――なかなか打撃の状態が上がらなかった原因はどう分析していますか?
「ずっと反対方向に大きいのが打てない感覚で、バッティングの幅が狭まっている感じでした。反対方向に大きいのが打てる感覚があればフォークやスライダーを待って、ストレートも打てるという感覚になるんですけど、それがない。だから待っている球しか打てなくなってしまっていた。センターから左方向への打球内容が全くなかった感じですね」
――復帰初戦で放った左翼フェンス直撃の二塁打も、本来ならフェンスを超えていなければならない打球だったですよね。
「そうなんす」
――左方向への打球の質が落ちてしまった理由はどこにあったと思いますか?
「やっぱりアメリカで速くて小さい変化を投げるピッチャーに対して『イチ、ニッ』という間合いで合わせていて、自分の中でいい位置、いい重心でボールを待てなかった。力が抜けたところからスイングしている感じで、パワーが溜まっていなかったんですね。日本に戻ってきて練習でそれを修正しようとして、いいかなと思っても、試合になると自分の体が無意識に『イチ、ニッ』と反応してしまっていました」
――そんな状態で結果も出ないので、先発で使ってもらえない。7月には左肋骨を疲労骨折して戦線離脱した。
「スタメンで出なくなってから、練習量を急に上げて疲労が重なり、何か肋骨にあるなっていうのはあったんです。そのままやっていて、ちょっと息ができないなあっていう感じになって、そこから2週間ぐらいして、だんだんちょっと振れないなあ、痛み止めとか飲んでもテーピングでガチガチにしても、振れないなっていう……。2016年から19年までの4年間って、違う箇所でしたけど骨折しながらずっとプレーしていたんで、骨折していてもできるという感覚が自分にはあった。でもここ(肋骨)だけは、どうしようもなかったですね」
日本シリーズ直前に“ハマった感覚”とは?
――結果的にはそれがシーズン成績へと結びついてしまった。でも日本シリーズではちょっと違う、本来のバッティングが戻ってきたように見えました。その感覚というのはいつぐらいから掴んだのでしょうか?