井上尚弥ラスベガス決戦の相手は“国立大に通う秀才ボクサー”？ 「24歳アラン・ピカソ」とは何者か「IQが高くメキシコ人らしい強烈ボディが武器」 

　繰り返しになるが、井上は本当にすごい選手だ。私自身も“モンスター”は史上最高級のボクサーだと高く評価している。スピードがあり、強烈なパンチャー。知性があり、引退後は間違いなく世界ボクシングの殿堂に入るボクサー。ただ、ピカソもいい選手だから、試合はどうなるかはわからないとだけは言っておきたい。

メキシコで最難関と呼ばれる国立大学に通うアラン・ピカソ（24歳、写真は2023年）©︎Getty Images

　井上は知的な選手だと言ったばかりだが、ピカソもまたとても頭がいいボクサーだ。非常に高いボクシングIQを持っていて、メキシコ最難関のUNAM（メキシコ国立自治大）で神経科学の修士課程にいる秀才ボクサーだ。とても真面目で、規律が取れているからこそボクシングと学業の両立が可能になっている。

　ピカソはまだ世界王者ではないが、すでにメキシコでは人気ボクサーになった。国立大学に通い、見た目もハンサムで、SNSでは多くのファンを惹きつけている。若く、クールな若者だと認識されている。彼の試合はメキシコですでに何度もテレビ放映されており、それらの要素がゆえに、まだ世界タイトル奪取前だというのに多くのファンの関心を集めるボクサーになったというわけだ。

警戒すべきメキシコ仕込みの強烈ボディブロー

2024年5月、ダミアン・バスケス（米国）に5回TKO勝利を飾ったアラン・ピカソ　©︎Getty Images

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　昨年12月、ピカソはティファナで元世界王者ハイメ・ムンギアがメインイベントを務めた興行のセミファイナルに登場し、ジェイソン・クエリョに3回KO勝ちを収めた。メインではムンギアが無名選手に番狂わせのKO負けを喫したわけだが、ピカソの出来は良かったと思う。

　やりたいと思っていたことをすべてやり、期待通りに序盤ラウンドでKO勝ちを飾ってくれた。フィニッシュブローとなった左ボディブローはメキシコ人ボクサーのシグネチャーパンチ。すべてのメキシカンファイターがボディ打ちを得意としているが、ピカソもまたそのうちの一人だということだ。

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