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「本当は大谷vs.朗希を見たかった…」“ドジャース佐々木朗希”論争にLA名物記者が意外な本音「オオタニの一部になるのはもったいない逸材」 

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杉浦大介

杉浦大介Daisuke Sugiura

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photograph byReuters/AFLO

posted2025/01/24 17:01

「本当は大谷vs.朗希を見たかった…」“ドジャース佐々木朗希”論争にLA名物記者が意外な本音「オオタニの一部になるのはもったいない逸材」<Number Web> photograph by Reuters/AFLO

ドジャース入団が発表された佐々木朗希(23歳)。ロサンゼルス・タイムズの記者に意見を求めた

 現状でドジャースの先発投手は余剰気味であり、特にシーズン序盤は起用法に難しさが出てきても不思議はない。とはいえ、ドジャースには故障歴のある投手が多いことを忘れてはいけない。タイラー・グラスノー、山本はまた故障が発生するかもしれないし、まだFAのクレイトン・カーショウは去就がどうなるかもわからない。ダスティン・メイ、トニー・ゴンソリンは故障明けで、健康体の先発投手は実は少ない。

 だとすれば、結局はシーズン中に投手の頭数は必要になってくるのだろう。去年の佐々木はNPBで111イニングを投げたのであれば、今年は130、140イニングくらい投球することになるのかもしれない。

「MLBでも人気者になるだろう」

 佐々木は私がこれまで見た中で最も才能のある日本人投手だ。あれほどナチュラルに豪球を投げられる投手はお目にかかったことがなく、プレーオフの頃にはドジャースのベストピッチャーとなっていても受け入れるだけの能力がある。大谷の力が無限なのと同じように、佐々木も限界が見えない。もしもこの世界が今年の11月で終わることが明らかになり、佐々木が制限なしで解き放たれるとすれば、20勝、防御率3点以下でサイ・ヤング賞を取ってしまっても驚かない。

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 ただ、現実的には耐久力に不安があり、チーム側が1試合ごとに制限をかけるであろうだけに勝敗予想は難しい。今シーズンは先発してもおそらく5イニングくらいで交代だろう。多くの勝ち星を挙げることは考え難く、10勝すれば御の字ではないか。

 それでも佐々木の才能が並外れているという事実に変わりはない。佐々木は自身の速球とフォークボールをドジャースに気に入ってもらえていると話していた。それではスライダーはどうなのかとブランドン・ゴームスGMに聞いたら、「まだ発展途上だ」という答えだった。つまり、MLBレベルではスライダーはまだまだなのだろう。MLBでは2つしか球種を持っていない先発投手はほとんど存在せず、逆にいえば、佐々木はまだ“2.5種”しかないのにもかかわらず、ドジャースが開幕から先発として起用しようとしていること自体が規格外だという見方もできる。

 足を高く上げた非常に綺麗な投球フォームから、爆発的なボールが飛び出してくる。佐々木は特別なピッチャーであり、MLBでも人気者になるだろう。ティム・リンスカム、ウォーカー・ビューラーといった少し風変わりなフォームから快速球を投げる投手が短期間で米西海岸でも大人気になったように、佐々木のそのビューティフルな投球にロサンゼルスの人々もすぐに魅せられるのではないかと思う。

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