「頑張れって言わないで！」水泳・大橋悠依が語る“コーチとの衝突”…感情を失った金メダリストはどうやって“燃え尽き”を乗り越えたのか？ 

　集大成と位置付けたパリ五輪で大橋は競泳女子200m個人メドレーは準決勝で敗退、12位に終わった。目標にしていた決勝進出とはならなかった。

　ただ後悔はない。支えてくれた家族の前で力の限りの泳ぎを披露し、レース後は後悔なくやれたと晴れやかな表情を見せていた。

「やれることはやったんじゃないかなと思います。パリまでたどり着くことができましたし、自分自身が選んだ道を誇りに思っています。何よりも夢に見ていた有観客のオリンピックを心の底から楽しむことができました」

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　大橋は今後、大学院で栄養学を学ぶほか、後進の指導にもあたる。

「私も自分にしかできないことを見つけながら、これからも挑戦を続けていきます」

　引退会見から早2カ月。大橋は今、セカンドキャリアを見据えながら、趣味の時間も楽しんでいる。

「あまり連休が取れなかったので、旅行にはたくさん行きたいですね。あと、なかなかライブにもいけなかったので、アイドルの推し活も（笑）。念願の犬もいつか飼えたら」

　引退会見では涙を見せなかったが、現役中はレース後に涙を浮かべることも多々あった。結果を残せなかった悔しさ、そんな自分への不甲斐なさもすべて糧にしてきた。

　日本が誇る個人メドレーの女王は、清々しい笑顔で次のステージへと足を踏み出したばかりだ。

〈前編から続く〉

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「すごい貧血…原因は練習しすぎ」水泳・大橋悠依の運命を変えたドクターストップ「休むと“やる気がない”と言われ…」輝かしい金メダルに壮絶な過去