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タイガー・クイーン妹分の“デビュー戦で重傷”はなぜ起きたのか? Sareeeの“危険な技”論争も拡散…プロレスラーのケガと、ファンはどう向き合うべきか 

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橋本宗洋

橋本宗洋Norihiro Hashimoto

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photograph byNorihiro Hashimoto

posted2024/12/17 11:04

タイガー・クイーン妹分の“デビュー戦で重傷”はなぜ起きたのか? Sareeeの“危険な技”論争も拡散…プロレスラーのケガと、ファンはどう向き合うべきか<Number Web> photograph by Norihiro Hashimoto

12月5日に行われたタイガー・プリンセスのデビュー戦

プロレスラーのケガと、ファンはどう向き合うべきか?

 我々にできるのは、一つひとつの具体例と向き合って考えることだけだ。プロレスを見ていて、選手がケガをすることほど辛いことはない。筆者は以前、リングサイドで撮影していて大谷晋二郎が目の前で動けなくなる瞬間を見た。ファンからすれば「いつか自分の“推し”が大ケガをするんじゃないか」と心配になるだろう。あるいはプロレスという“危険な”ジャンルを楽しんでいることに負い目を感じるかもしれない。

 どうにも心がザワザワして、落ち着かせどころがほしくなる。「あんな危険な技を使うから」、「受身がヘタなんだよ」と。そうやって選手を責めたり未熟さを嗤えば、とりあえずは安心できるわけだ。

 その一方でメディアが“裏投げ問題”を騒ぎ立て、とにかく話題を作ろうとする。高橋奈七永はSareeeとのタイトルマッチ後、来年5月に引退すると表明したが、それを裏投げのダメージによるものだとするような記事もあった(本人がXで否定)。

 何かおかしい。いろいろなことが“雑”になっていないか。丁寧さを欠いていないか。プロレスは数秒の動画やコタツ記事で分かったつもりになれるものではない。その分からない部分を、現場で取材していきたいとあらためて思う。

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